ポスト・オフィス

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ポスト・オフィス

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784054006195
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

酒と女とギャンブルの日々を鮮烈に描いた幻の処女長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

32
飲みたいヤりたい楽したい。クズ文学の巨匠ブコウスキーの分身・チナスキーの糞ったれで投げやりな郵便局勤めの日々を描いた本作は彼の処女小説であり、つまりこれはクズの原石。いやぁ、ストレスフルな仕事の合間に読むと最高の自己啓発になりますね。職務の規則や責任は躊躇なくゴミ箱に投げ捨てられても同じ底辺で生きる者達への情は捨てられないこの醜男は、どんな気違いな生き方も決して否定しない。「この本はまったくのフィクションであり、誰にも捧げられない」オーイエー。ブコウスキーは知っている、ただ生きるとは何かを知っている。2013/09/04

にがうり

16
土曜の朝日新聞でブレイディみかこさんが本書を取り上げていた。そういえば地元の一箱古本市で店主のお兄ちゃんから買ったのが積ん読山脈に眠っていた。やっと読むときがきたぜベイビー。冒頭の一文とブレイディさんも書かれていた最後の3行がすべて。あとは著者を投影した主人公がパワハラ、モラハラだらけのブラック郵便局で働く自堕落な日々が延々続く。主人公も決して褒められた人物ではなく今の日本ならほぼ犯罪者。昔からなぜか苦手なのに読む機会が多かったブコウスキー。お嬢さん、ブコウスキーに憧れる男には気をつけな。腐れ縁はこれで。2019/09/01

Naoko Takemoto

12
朝日新聞の書評でブレイディみかこさんが『そんなに難しくないから是非原書で読んで欲しい』とあり、挑戦も考えたが、先に感じを知ろうと思い翻訳本を取った。ブコウスキーのハチャメチャぶりは逆に痛快ではあるが、まず超ブラックなアメリカ郵便局によく11年も勤めたなと思う。たぶん自分の裁量で仕事ができたことと、上司が個性的すぎて面白がっていたのでは。思えば今の日本の郵便局もノルマ地獄で保険騙したり酷いけど、そこで働く意味はもしかしたらブコウスキーの感じたことに似てるんじゃないかな。次は原書を手に取ろう。2019/09/23

三柴ゆよし

11
様ざまな職業を転々としていた『勝手に生きろ!』とはちがい、本作のチナスキーは、やめたい、やめたい、と不満をぶちまけ、酒を飲み、サボり、女を抱き、酒を飲み、結婚し、子どもを作り、離婚し、馬券を買いながら酒を飲み、上司に反抗し、酒を飲みつつも、最後までひとつの仕事に従事している。他の作品に比べると、クズ度は低い。妻と別れても、娘の養育費はきちんと払う。意外と律儀で情に厚い男、それがチナスキーだ。ブコウスキーにしては地味だが、むしろそうであるがゆえに迫真性に富む。ボリュームもこれくらいがちょうどいい。2011/10/01

マコ

10
この本はまったくのフィクションであり、誰にも捧げられない!最高だぜチナスキー。一回目やめるときにおばさんとチッチッチ合戦するところとか、ミス・グレイヴズに42ページの文章読ませるところとかもう最高。「やっぱり、天才っちゅうのは、みんな酔っぱらいだな!」ベティの葬式とフェイとの娘のくだりも良かった。この本がブコウスキー作品でも特に面白いことは間違いないが、翻訳者の坂口緑氏の文章も一役買っていると思う。ので、どんな人なのか検索してみたら、なんと女性!しかも大学の社会学部の先生!天才が酔っぱらいとは限らないぞ。2019/06/25

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