出版社内容情報
江戸時代、賑わう新潟湊(みなと)。廻船問屋の息子の寅吉は、弟の文助といたずらをして遊ぶ毎日。しかし、質屋の金兵衛としたある約束から、湊祭りで文助と芝居に挑む事になってしまい―。第27回小川未明文学賞大賞受賞作品。
内容説明
時は江戸時代。にぎわう新潟湊。やってくる船との取次ぎを扱うのが廻船問屋だ。廻船問屋の息子の寅吉は、弟の文助といたずらをして遊ぶ毎日。しかし、質屋の金兵衛としたある約束から、湊祭りで文助と芝居にいどむことになってしまい―。第27回小川未明文学賞大賞受賞作品。
著者等紹介
藤村沙希[フジムラサキ]
新潟県新潟市出身。上越市主催の杉みき子氏の童話創作講座などに通う。「栞」同人。日本児童文学者協会会員。『湊町の寅吉』で第二十七回小川未明文学賞大賞を受賞
Minoru[MINORU]
1987年生。京都精華大学デザイン学部VD学科イラストレーションコース卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モモ
50
児童書。昔の新潟市が舞台。江戸時代に新潟の港からお米や餅米を積んで、北は北海道の松前から南は下関、瀬戸内海を進み大阪まで航海していた北前船。廻船問屋の息子の寅吉はいたずらをして質屋の金兵衛を怒らせてしまい、お詫びに祭りで芝居をすることになる。船が佐渡沖で座礁したり、母の病気の心配など、いろいろあれど、寅吉は「商いは笑いなり(売る側も笑い、買う側もうれしくて笑う」という言葉を知り、日々成長していく。大きなものを運ぶのは船に頼っていた時代。歴史もちょっと調べたくなる、さわやかな一冊。 2020/12/13
shiho♪
16
2019年刊 第27回小川未明文学賞大賞作品。時は江戸時代、小川未明の出身と同じ新潟の湊町が舞台。主人公の寅吉はサザエさんのカツオのような性格。いたずら好きで愛想もよい。廻船問屋の長男で父親は厳しく育てる。病床の母を持つ寅吉は高額な薬を工面するために、湊町のお祭りで芝居を披露することにー。湊の活気や、商売の町大坂への憧れが文面から伝わってくる。 色々と盛り込んだせいか、あるいは掘り下げてないせいか、やや主題がぼやけた感があるが、さらっと読めて時代物初心者には読みやすい。2021/11/23
雨巫女。@新潮部
9
《私-図書館》悪ガキだか、憎めない寅吉。北前船の湊町で、素敵な家族の話。お父さんの後を継いでほしいなあ。2021/01/26
いよの缶詰め
6
北前船は授業でサラッと聞くくらい。 悪戯好きの跡取り息子が、舞台に挑戦する。まさかあの粉菓子のおばあさんが金貸しの姉であったことには、驚き。あることがきっかけで、感情をなくすのは今も同じか。日本の歴史を勉強する高学年に進めたい。2020/08/03
ちかこ
2
江戸時代が舞台のお話に絵がかわいらしすぎないかな。2020/08/03