内容説明
夜遅くまでオフィスで残業をしていたカールは、早く帰るように、との秘書からの電話にうながされ地下鉄の最終電車に乗る。真夜中の地下鉄で4人組の若者が女性をからかい始め、それを止めようとしたカールはその場で袋叩きにあい、意識を失う…。現実と夢、正気と狂気、心と体の境界でさまようカールがやがて陥る孤独、そして絶望。独特の味わいのある台詞のやりとり、クールでドライでエッジの効いた文体、ガーランドの真骨頂をあますところなく発揮した、待望の新作。
著者等紹介
ガーランド,アレックス[ガーランド,アレックス][Garland,Alex]
作家。1970年ロンドン生まれ。世界中で500万部を超える大ベストセラーとなった『ビーチ』で1996年に華々しくデビュー
村井智之[ムライトモユキ]
文芸翻訳家
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
30
帰宅途中に強盗に襲われそうになっているが本気で抵抗しているか分からない女性を助けようとして返り討ちに遭い、昏睡状態に陥った主人公。目覚めたが周囲のカフカめいた不可解な言動や齟齬に違和感を持ち、やがて・・・・・。現実はどれを基準にして判断されるのだろうか、本当に私達の現実は目の前にあるのか?そして意識は常に自身によって認識されているのか?2013/07/02
きょん
11
残業後、終電車でトラブルに巻き込まれ昏睡状態になったカール。自分が昏睡の夢の中にいることに気づき、覚醒のきっかけを掴もうとする。日常と夢、正気と狂気、淡々と描かれる恐怖。他の作品も読んでみたい。2016/01/03
Jiro Fujita
1
残業で滑り込んだ終電で輩集団にボコられ意識を失った主人公が入り込む悪夢の世界に絶望しながらも一気に読了。 挿絵の版画が秀逸で物語の不気味な雰囲気をより膨らませてくれるなと思ってたら、作者の父親の作品らしい。2022/09/08
hikarunoir
0
軽い。