内容説明
不可思議で、奇妙で、痛々しく、哀しみに満たされた、これは現実をかたる物語たち―失われ、取り戻される希望、ぎこちなく、やり場のない欲望、慰めのエクスタシー、寂しさと隣り合わせの優しさ、この世界のあらゆることの、儚さ、哀しさ、愛しさ。少女たちが繰り広げるそれらの感情が、物語を超え、現実の世界に突き刺さる。本処女作にして強烈な才能を発揮し、全米書評家たちをうならせ絶賛された、珠玉の傑作短編集。
著者等紹介
ベンダー，エイミー［ベンダー，エイミー］［Ｂｅｎｄｅｒ，Ａｉｍｅｅ］
１９６９年、三人姉妹の末っ子として生まれる。ロス・アンジェルス育ち。カリフォルニア大学アーヴァイン校創作科出身。小学校教諭をつとめた後、「Ｇｒａｎｔａ」「ＧＱ」「Ｔｈｅ Ａｎｔｉｏｃｈ Ｒｅｖｉｅｗ」などの雑誌にショート・ストーリーを発表。処女短編集『燃えるスカートの少女』を刊行するや、その独特の不可思議な世界が多くの書評家から絶賛、１９９８年の「ニューヨーク・タイムズ」紙の注目の一冊にも選ばれた。リーディングやディスカッションなども全米各地で熱心に行う、人気急上昇中の新人作家
管啓次郎［スガケイジロウ］
１９５８年生まれ。翻訳者、エッセイスト。ハワイ大学、ニューメキシコ大学、ワシントン大学（シアトル）で人類学と比較文学を学ぶ。現在、明治大学理工学部助教授。担当は英語＋フランス語＋文化研究
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥
21
16編の不思議で捉えどころのないふわふわした短編集。愛や希望を求めながらもがく女の子たちの心理や行動が大胆過ぎながらも痛々しさも併せ持ちながら進み行く少女たちの強さが文章に滲み出ていて不思議で奇妙な物語ながらも一気に引き込まれました。2017/05/25
朱邑
10
不思議で、独特な世界でした。ただ訳が合わないのか何なのか、文章がなかなか頭に入ってこなくて読むのにすごく時間がかかりました。『指輪』が好きです。それから、対照的な両親を描いた『マジパン』は何だか少し笑ってしまいました。他の方も言われてましたが、とある単語は確かにもう少し違う言い方でよかったな……と思います。2016/07/13
かりんとー
7
「ハァイ！私エイミーベンダーよ！私の小説ってちょっとヘンだけどイカシてると思わない？」 思わねえよ！イカレテルよ。なんというか脳みそが見え見えなんだよなー。はいはい、すごいですね。すばらしいですね。読者諸君、つまらない小説はつまらないって言っていいんだぞ！「あまりよくわからなかったけど○○の部分はいいと思いました」みたいに言わなくていいんだぞ！あー殴りたくなった。（本当に好きな人はごめんなさい）2016/11/21
さくちゃん
5
どのお話も不思議な雰囲気を持つ短編集。「癒す人」などたまに面白いなと思うものもあったけれど、翻訳が頭に入ってきづらくあんまり合わなかったです。2015/02/28
沙耶
5
タイトルと可愛い表紙に惹かれて読んだ。思い出す人と癒す人はすごくよかった。他はちょっと…単語が下品に思えたりしてしまって苦手かもしれない。喉元に“現実”が突きつけられている。2014/01/21
