• ポイントキャンペーン

解剖学者

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 265p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784048972062
  • NDC分類 963
  • Cコード C0397

内容説明

時は十六世紀、西欧では「発見」が合言葉だった。かのクリストファー・コロンブスと姓を同じくするひとりの解剖学者が人体にまつわる発見をした。女の両脚のあいだに屹立するささやかな器官…。解剖学者はその突起物を「ウェヌスの愛またはよろこび」と名づけた。あらゆる女が、そして男が、この小さな器官がもたらすものに耽溺し、支配され、慄然となった。異端審問にかけられた解剖学者の愕くべき弁明とは―。近代科学の萌芽と人間精神の飛翔を、これ以上ないほど挑発的、悲劇的に描ききった、衝撃のデビュー作。93年フェルタバット財団新人文学賞受賞。

著者等紹介

アンダーシ,フェデリコ[アンダーシ,フェデリコ][Andahazi,Federico]
1963年、ブエノスアイレスに生まれる。芸術家の父と心理学者の母をもつハンガリー系アルゼンチン人。ラプラタ大学心理学科卒業。93年、33歳で処女長編小説である『解剖学者』でフォルタバット財団新人文学賞を受賞するも、主催者側が授賞に異を唱えたことから文壇にセンセーションを巻きおこした

平田渡[ヒラタワタル]
1946年、福岡県生まれ。神戸市外国語大学大学院イスパニア語修士課程修了。関西大学外国語教育研究機構教授。専攻はラテンアメリカ文学、スペイン文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

74
女性の股間に隠れている小さな釦に似た器官の発見譚。16世紀半ば、イタリアのパドヴァ大学の解剖学者マッテモ・コロンボは、その突起物を「ウェヌスの愛またはよろこび」と名づけた。これはフィクションであり、異端審問官に、教皇パウロ3世も登場し、パドヴァの解剖学者にヴェネツィアの娼婦とフィレンツェの貴婦人のトライアングルを巡らせて、仕掛けのセンスはいい。古典趣味の文学的雰囲気のある小説である。2021/01/12

みのる

1
この作品を書いたのがアルゼンチンの作家だっていうことが、私にとってはすごく意外だった。文章から漂ってくる匂いがヨーロッパっぽいというか…。小説の舞台がそうだから当たり前と言えば当たり前なのかもしれないけど。しかし、どんな作品にも書いた人のアイデンティティは滲み出て来るもので、どこかにヨーロッパっぽくはない何かみたいなものもあったりするもんじゃないかと思ったのだけれども、残念ながら私には感じとれなかった。まだまだ勉強不足だな〜。と、もう一度読んでみて、ヨーロッパはともかく若いな〜って感じがした。2012/09/22

さびる

0
16世紀。イタリアの名門パドヴァ大学で教鞭をとる解剖学者マッテオ・レナルド・コロンボは、女の体に備わる小さな器官を発見した。「ウェヌスの愛またはよろこび」と名付けられたささやかな器官は、発見者の意図に反して思いも寄らぬ悲劇を引き起こす。一人の解剖学者の痛切なまでの純愛を通して、人間精神の解放と近代科学の萌芽を描いた問題作。この種の物語に欠かせない要素―文体と内容の荒唐無稽さ、登場人物の妙、人間の欲望の底知れなさ―が盛り込まれた読み応えのある作品。

まっさん

0
『女には精神がない』魂がない、と。たしかに女と男は違うけどね。でも…精神って何だ? 男はみな女から生まれる。例外はない。精神を持たない者が精神を持つようになる者を生み出すことができるのだろうか。『精神』はどこからか流れこむのか? 女には流れこまないの? 『ウェヌスの愛』を操ることで女を支配できると考えた男。でもそれを切り取ってしまえば…… そういうことを思いつく女に『精神』ってないのかしら。それはそうと訳者解説で『ラテンアメリカ文学には批評とエロティシズムが欠落している』と書いてあったけど『⁉️』だね。2015/01/09

ミンガラ

0
欄の華ではなく、もろ女性器を想像させる表紙につられつい手に取ってしまった。性器を見せるなんて昔は娼婦しかしなかったんだろうな。女性が感じる事は神の意識に反するのか?

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/80733
  • ご注意事項