パストラリア

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784048972031
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

資本主義社会の片隅で、人々は行き詰まり、捻れた現実に溺れていく―。テーマパークで洞窟人のカップルのふりをして生活する男女。ストリップ・バーでダンサーとして働きながら姉妹や叔母を養う男。自己啓発セミナーに触発され、厄介者の妹を家から追い出そうとする兄。逃げ場の無い人生の不条理を、辛辣なユーモアと桁違いの想像力で描き出す欧米で大絶賛の傑作短編集。

著者等紹介

ソウンダース,ジョージ[ソウンダース,ジョージ][Saunders,George]
短編集『CivilWarLand in bad decline』でデビューし、1996年度PEN/ヘミングウェイ賞の最終候補、NYタイムズ紙の最も注目すべき本に選ばれる。ニューヨーカー誌、Harper’s誌、Story誌などで活躍中。シラキュース大学のクリエイティブ・ライティング・プログラムで教鞭をとっている

法村里絵[ノリムラリエ]
1957年生まれ。女子美術短期大学卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

marco

33
ずっと読みたかった作家の短篇集。「ユーモアのセンスをヴォネガットと共有」しているとは、『サロン・ドット・コム』における、ある作家のソーンダーズ評。ソーンダーズが描くのは、生活に苦しんでいる人々。彼らは一風変わった状況に置かれているが、なぜだろう、自分のことのように思えてしまうのは。「一線」を越えてしまいそうになりながらも、なんとか踏みとどまっている、そのリアルな切なさに共感を覚えてしまうのだろう。2014/06/29

あたびー

26
#日本怪奇幻想読者クラブ 著者初読。SFや怪奇カテゴリーに入れられる作品が含まれている。一気読みしてしまった。恵まれているとは言えない環境に生きている登場人物たちの、時に救いのない生活のワンシーンを切り取った短編小説群。それなのに妙に笑える場面有。特に、アメリカ人には普通なのかもしれないが日本人にとっては異常としか言えないような物言いをする上司だの教祖だのインストラクターだの。お荷物である家族。頻出する妄想癖。コンプレックス。慰めの言葉もないよ。2020/01/22

ネロリ

13
口汚い言葉や卑屈な感情や信頼には程遠い関係の人々が、足を引っ張ったり頭を押さえつけたり仕合ながら転がっていく。八方塞がりで手詰まりだからといって、投げ出すことも出来ずに目の前の障害物をそのまま押しながら歩く。バラバラの身体と親密な会話を交わすことも、妄想と現実の折り合いがうまくつかないことも、他人事とは思えなくなってきて、登場人物の幸せを願っている自分も含めて笑ってしまおうと思った。2012/05/06

三柴ゆよし

13
これはおもしろい。テーマパークで穴居人の生活を再現する男女、ありえそうもない妄想をたくましくする床屋の男、黄泉がえる叔母……。ユーモアにあふれた筆致で、不条理な、そして不平等な現実の本質を見事に切り取り、描いている。テーマは重々しくとも、あくまで「軽さ」を失わない文章からは、作者の並々ならぬ力量を感じさせられる。個人的には、表題作、「シーオーク」、「床屋の不幸」の三篇が特に印象に残った。この人の作品はもっと読みたい。2010/10/09

shamrock

11
再読。ちょっともうどうかしてる。この切り口でこの内容を書くか、という感じ。いかんともしがたい状況にあえぐ、等身大の登場人物。共感できるけど、ゾンビに「見せるんだよ!」とか言われるはめになったら自分がどうするのか検討もつかない。2018/10/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/399850
  • ご注意事項

最近チェックした商品