出版社内容情報
いま、反戦をリアルに語るために。ニュータイプやザ・スニーカーなどアニメ誌の現場で分かりやすく書き下ろした原稿に新たなテキストを加え構成。
目次
0 何故、物書きは「戦時下」に語らなくてはならないのか
1 多重人格探偵サイコと突然の平和論
3 キャラクター小説はいかに戦争を語ればいいのか
3 「文学」はいかに戦争を語らなかったか
4 「戦時下」に憲法前文はいかに語られてしまったか
戦後民主主義のリハビリテーション(戦争篇)
著者等紹介
大塚英志[オオツカエイジ]
1958年東京都生まれ。学習院女子大学非常勤講師。まんが原作者
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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T-山岡
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古本屋で購入。内容としては2001年の9.11テロ後の社会批判だが、昨今の(安保法制まわりの)政治的言説を巡る情勢もまた15年近く前とあまり変わっていないんだなぁという事を再確認した。また(大塚氏の意図はともかくとして)、当時「ザ・スニーカー」や「ニュータイプ」といった媒体がこういった文章をすんなり掲載していたことに衝撃を受けた。2015/08/27
小林ミノリ
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米国の9.11以降の世界、憲法9条を堅持する日本国において文学、およびサブカルチャーはいかに反戦を語りうるか。
そらパパ
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若干自意識過剰かなと思うところもあったけど総じて面白かった2012/07/07
ハンギ
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9.11以降のアメリカの対応や日本への影響を「サブカル屋」を自称する大塚英志が分析したもの。イラク戦争派兵問題についてかなり踏み込んでおり、右翼的と思われていた大塚の思想的転回を感じさせる。批評界の巨人・柄谷行人の言説をオウム真理教の予言と重ね合わせて否定的に解釈してみたりするのはとても刺激的だった。またディベート技術のような言語技術の使用を「新しい歴史教科書を作る会」の藤岡信勝や小林よしのりのような右派に認め、それに対抗するものとしての文学の存在を暗示している。 2012/02/01