庵堂三兄弟の聖職

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048738934
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

庵堂家は代々、遺体から箸や孫の手、バッグから花火まで、あらゆる製品を作り出す「遺工」を家業としてきた。長男の正太郎は父の跡を継いだが、能力の限界を感じつつある。次男の久就は都会生活で生きる実感を失いつつあり、三男の毅巳は暴走しがちな自分をやや持て余しながら長兄を手伝っている。父親の七回忌を目前に久就が帰省し、久しぶりに三兄弟が集まった。かつてなく難しい依頼も舞い込み、ますます騒がしくなった工房、それぞれの思いを抱く三兄弟の行方は?第15回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。

著者等紹介

真藤順丈[シンドウジュンジョウ]
1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞大賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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sin

68
『サイコ』でその存在を世に知らしめ『悪魔のいけにえ』でカルトなホラー人気を不動のものとした実在した殺人鬼エドワード・ゲイン!何より恐ろしいのはアウシュビッツさながらに殺害した人体を日用品に加工したことではないだろうか?それとは異なりこの物語ではエンバーミングといった正規の遺体処理を跳び越えためちゃくちゃな職業設定が描かれているがホラーではない!この物語には静謐な遺体と長兄の奮う職人技があり、そこに末弟の罵詈雑言がまるでラップの様にリズムを添える。人間はときに愛するものを苛み、自身をも破滅に導く…。2021/07/14

keroppi

48
第15回日本ホラー大賞受賞作。ホラーというけど怖くない。兄弟や父との人間関係が主に展開する。やっている仕事が遺工師という死体からモノを作るということを除けば伝統工芸師の家族の物語。その遺工師という設定がすごいのだが。2018/03/31

つらら@道東民

40
再読。初読の時、なんて羨ましい才能だろうと思ったけど、それは今回も変わらなかった。ものすごくスプラッターで凄惨な場面ばかりなのに、爽やかでハートウォーミングな兄弟愛を醸し出す文才。突拍子もない発想力、いつかは大化けするだろうと期待しています。そしてこの三兄弟にまた会いたいと思っているので、続編を書いてほしいな。2014/01/10

ito

35
本書はホラー大賞受賞作である。ホラーというよりも凄惨でグロテスクなシーン描写が続く。当初は三男の暴力的な言葉使いに慣れず嫌悪感すら抱き、たたみかけるグロテスクな描写に不安があった。しかし、徐々に三兄弟の言動を理解しようと思わせられる。死体から骨や皮の部品を取り出し、生活用品として蘇らせる「遺工師」というありえない職業とその職人技のシーンには、非日常的な世界を見せつけられ、これがホラーなのかなと思った。ホラー&グロテスクで突っ走りながら、意外にも最後に人間愛を見つけて涙が流れてしまった。2019/01/07

きっしぃ

34
初読み作家さん。亡くなった人の体から、製品を作り出す、"遺工師"を営む長男と、その二人の弟。父の七回忌に集まった3人と三者三様の悩み。遺体の加工のシーンはグロいし、下品な言葉が溢れているものの、これはまさに家族小説だ。次男の久就は比較的まともだけど、長男と三男は破天荒すぎる。だけど、なんだかアツいんだ。最後にはわけわからないまま感動までしてしまうではないか。いやぁ、不思議だ。そしてこれがホラー大賞。そのときの長編賞は粘膜人間。うーん。ホラー大賞ってなんなんだ?と思わざるを得ない。2019/12/06

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