トーキョー・プリズン

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  • サイズ B6判/ページ数 326p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048736763
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

元軍人のフェアフィールドは、巣鴨プリズンの囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられる。貴島は捕虜虐殺の容疑で死刑を求刑されているが、その記憶からは戦争中の記憶がすっぽりと抜け落ちているというのだ。時を同じくして、プリズン内で不可解な殺人事件が起きる。その殺人は“密室状況”で為されていた。フェアフィールドは貴島の協力を得て、事件の謎を追うのだが…二つの異なる時間の謎が交わるとき、忌まわしき闇が逆光の中に浮かび上がる―監獄の中で歪み捻れる殺意と狂気。ミステリ界注目の知性が戦争の暗部に挑む。戦後史に探偵小説で切り込み、遊戯性の果てに狂気に迫る最高傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とも

38
★★★✩ジョーカーゲームに先駆ける小説。どちらも表には現れない裏の隠れた歴史をテーマにしているものの、それがどちらかといえば面白く取り上げているものだとすると、こちらは辛い面となるのか。とはいえ、謎を解き明かしていくミステリーとしても十分に楽しめる秀作である。2015/08/30

Akihiko @ VL

37
柳広司氏5冊目の読了。実写映画化が決定したジョーカーシリーズで知られる著者が描く監獄ミステリ。文体、時代設定、世界観は酷似しているものの、スパイでは無くプリズナーが重要人物となっている為か、あのシリーズ独特の「キレ」が感じられなかった。本作の肝となる密室の謎も不確定要素が多く、真相は運に頼った様な脆弱なトリックだったので、不可解な状況を煽った割には今ひとつインパクトに欠けていた。あえて監獄という究極の密室を舞台としたならば、それを最大限に活かしたミステリーに組み立てて欲しかった。2014/04/28

おかむら

34
巣鴨プリズンで密室殺人事件。謎を解くのはニュージランド人探偵と捕虜虐待容疑で勾留中の日本人兵士(しかも記憶喪失中)。なかなかの珍しい設定で興味津々。2人ともクールでカッコいいのだ! 終戦直後のトーキョーの様子もカッコいい。ちょっと浦沢直樹のビリーバットを思い出しました。しかしニュージーランドも太平洋戦争に参戦してたとは知らなかったわー。2017/06/23

mikea

34
なかなか読み進められず、後半になってやっと一気読み。ジョーカーゲームのような展開の早さはなく、何度も眠りを誘われました。ラストは切ない。この時代を生きた人でしか知らないだろう苦しさが伺えました。2011/05/26

3939タスタク

25
ABC級戦犯が収監されている巣鴨プリズンが物語の舞台だが、良かれと思って行った事が、文化・習慣の違いによる誤解により逮捕・収監された人々が多数いた事が明らかになっている。物語としては、戦争という狂気に魅せられた人間達への復讐と、自らが行った行為を懺悔する男と、その男を抹殺しようとする男の狂気の物語と云うべきか。なんともまぁ、スッキリとした読後感は無く、ただただ虚しさだけが残りましたが、唯一の救いといえば、被爆したキジマの婚約者の生存確認が取れた事か。2012/08/17

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