内容説明
人は、一生のうちいくつの恋におちるのだろう。ゆるくつけた香水、彼のタバコや汗の匂い、好きな人に作った特別な料理―。柔らかく心に迫る恋の匂いをモチーフに繊細に、あるいは大胆に綴った6つのラブストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazu@十五夜読書会
59
『カオリ』がテーマの6つの恋愛小説アンソロジー。ひとは、一生のうち何度恋におちるのだろう。ゆるくつけた香水、彼のタバコや汗の匂い、ふたりでつくった料理からあがる湯気――柔らかく心を浸す恋の匂いをテーマに繊細に、あるいは大胆に綴る。角田光代「水曜の恋人」・島本理生「最後の教室」・栗田有起「泣きっつらにハニー」・生田紗代「海のなかには夜」・宮下奈都「日をつなぐ」・井上荒野犬と椎茸」。宮下奈都の40ページの作品を読む為に借りてきました。修ちゃん……。カオリでふと記憶を呼び戻す……。2013/05/10
あつひめ
37
恋って甘くてとろんととろけるものばかりじゃないというのがよ~くわかるアンソロジー。夫婦でもいつまでも持ち続けなければならない・・・恋心。匂いって、何年、何十年たっても蘇る不思議なもの。心のどこにしまってあるんだろう・・・と思うほど、突然姿を現わす懐かしの匂い・・・。読書家さんたちにも好評の宮下さんの「日をつなぐ」、私も好印象。言葉で伝わるものと匂いで伝えられるものがあるんだなぁ・・・ってしみじみ感じさせてもらいました。2011/03/29
nyanco
29
豪華執筆陣ですが、まず宮下さんから。う~ん…、やっぱり凄い。豆を煮るあの独特の匂いと、赤ちゃんの愛らしいがむっとくる生の香り。巧いな~。おまけに土星のエピソードもいいなぁ。きちんと食べることは、きちんと生きること。正しい食が気持ちを正していく。ああ、豆のスープを煮たくなりました。井上さんは『ベーコン』もそうですが、食べ物のお話、いいです。椎茸を煮る独特の匂いが漂ってきました。母と娘、女同士のお話は角田さん得意分野ですから、勿論面白い。でもやっぱり宮下さんが凄い。今、一番気になる作家さんです。2009/11/10
スケキヨ
22
変化球的な恋の?話が多くてちょっとまいった。良かったのが「日をつなぐ」の宮下奈都さん。要チェックです。2010/11/19
くろにゃんこ
20
6人の作家さんによるアンソロジー。色々な恋の仕方があって、色々な想いがあるよね。栗田有起さん「泣きっつらにハニー」が良かった。そして宮下奈都さんの「日をつなぐ」はその先を読んでみたい。2012/02/18