内容説明
憂鬱にとらえられ、傷つき、かじかんでしまった女性の心を繊細に映しだし、灰色の日常に柔らかな光をそそぎこむ奇跡の小説、全五篇。
著者等紹介
大崎善生[オオサキヨシオ]
1957年、札幌市生まれ。2000年、デビュー・ノンフィクション『聖の青春』で第一三回新潮学芸賞を、翌年には第二作となる『将棋の子』で第二三回講談社ノンフィクション賞をそれぞれ受賞。また、2002年には初の小説作品『パイロットフィッシュ』で第二三回吉川英治文学新人賞を受賞する
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感想・レビュー
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ワニニ
63
泣きそうだけれど、うっすら光が射してくるような温かさも感じた読後。寂しく悲しく残酷な物語やきもちが、透明感ある美しい文章で描かれると、すこしだけ救われた気分。喪失感は言葉で言い尽くせないけれど、生きているから、生きていくのだ。今は新しい誰かがいて、何かがあって。2015/10/21
ち~
22
短編5つ。どれも、とんでもなく喪失感を感じさせる。でも、読後はさほど鬱々とした気にさせないのが不思議でした。短編ということもあり、サラサラと読んでしまったけれど、じっくりと読むともっとジンワリと染み込んでくるものがあったのでは?と思わせる綺麗さがある短編集でした。2015/04/29
ライアン
14
10年ぶりに再読。孤独がテーマの短編集。暗い感じの中「孤独か、それに等しいもの」のヒロシだけが明るいお気楽なキャラでなんか救われる2015/04/19
かりんとー
8
表題作と、最後の「ソウルケージ」が良かった。2017/06/26
柊 ユウ
8
読みたい本消化チャレンジ。どれも喪失感が漂っている短編集。装丁にやられた…という感じですが、読み続けられたのはわざとらしくない描写・演出かなとも思います。”solitude, or something like that”の響きがいい。2017/06/05