内容説明
新世紀、世界は悪い方に転がっていた。デフレ、戦争、頭髪の悪化、預金残高の減少。しかし一縷の希望は残されていた。『超人』になれば全てが解決するのだ！安定した人生と人間彼女を獲得するため、輝かしい超人ロードを突っ走る時がいま到来したのだ！だがその決意を固めたひきこもり新人作家を試練が襲う。深まる孤独と肉体機能の低下、それに伴う精神の異常―あたかも神罰のごとく降り注ぐ苦難であったが、彼の傍らには常に一人の美少女がいた。青い髪をしたレイは目に涙を溜めて彼を励ます。「くじけてはダメ、ゼッタイ！」ならばと彼も立ち上がる。渋谷、箱根、武蔵野を徘徊し、ＮＨＫスタジオで全世界に向け雄々しく叫ぶ。「愛こそ全て！」…新世紀の闇を照らす革命的ハイブリッドエッセイ、ここに見参。
目次
第０話 電光の到来
第１話 永劫に回帰する出会い
第２話 輝ける明日へ
第３話 運命愛の陥穽
第４話 イクシオンの火の車
第５話 デュオニソス・ラブ
第６話 インターミッション
第７話 ステアウェイ・トゥ・ヘブン
第８話 おしまい人間
第９話 暑さ寒さも善悪の彼岸まで
第１０話 曙光
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mentyu
5
オタクはキモい。若者には恋人がいて当然。ゼロ年代中ごろまで根強く存在していたこの風潮の中で、エロゲを嗜み、脳内彼女と遊ぶ筆者が悶々と苦悩するエッセイ。確かに当時の若者文化は今と比べると遥かにチャラチャラしていた。2006年あたりになって急にオタク的なものが許容される価値観の転倒が起きたのは本当に謎。2020/05/22
たかひー
1
★★ 結局何だったんだろう？自分には面白さがあまり理解できなかった。2021/01/13
不純
1
感想に好意的な意見が少ないように感じるが私は非常に楽しく読むことができ面白いと感じました。ただ、ダメ人間をダメ人間として開き直った上妄想全開で進められるので受け入れられにくいかもしれない。人間不信や被害妄想過多、引きこもりなど人間としてダメなところがない人にはつまらなく感じるのかもしれないし、そのいくつかの条件を満たしている私は読むのがつらかった。それでも「N・H・Kへようこそ！」という大作を作り上げているだけあってどこかそこらへんにいるダメ人間よりかは頭一つ分、いやそれ以上の抜き出たところが垣間見える。2012/09/26
綾瀬
1
たまたま本棚から落っこちてきたから読んでみたけど、オレもダメ人間。共感というか痛すぎて本当にダメになりそう2011/12/01
梧桐
0
面白かったです。著者は色々勉強してるんだなと思わされました。世間に対する歪んだ認識は、まるで俺ガイルの源流のようだと思いましたね。2016/02/13
