アジアンタムブルー

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  • サイズ B6判/ページ数 326p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048734103
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「私が死んでも…」そう言って、葉子は声を詰まらせた。そして、声を振り絞るようにして続けた。「優しい人でいてね」愛する人が死を前にした時、いったい何ができるのだろう。喪失の悲しみと“優しさ”の限りない力を描き出した、本年最高の恋愛小説。

著者等紹介

大崎善生[オオサキヨシオ]
1957年、札幌市生まれ。2000年、ノンフィクション作品『聖の青春』でデビュー。同作は第13回新潮学芸賞を受賞し、ベストセラーとなる。2001年、『将棋の子』で第23回講談社ノンフィクション賞を受賞。同年、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で第23回吉川英治文学新人賞を受賞
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

192
葉子を亡くした僕の心象風景が印象的な作品である。 そう言えば、デパートの屋上に 長い間 行ってない…僕が落ち着く あの空間は 今でもあるのだろうか? 葉子の思い出を胸に デパートの屋上に たたずむ僕と 出会う人々… 著者が描く 喪失の物語は 切なく、哀しい。 出逢いの不思議さと 別れの哀しみが ひどく 清冽な 物語だった。2018/12/08

sofia

50
『パイロットフィッシュ』後に読む。実は読み進めようかと迷うときもあり、どうしても慣れない表現もあるのだが、中盤から一気読み。あそこでやめなくてよかった。ノルウェイの森に少し似た感がある。文章が好き。2017/11/05

あつひめ

36
どこまでも求めあう。求めあわなければお互いの存在を指の隙間からこぼれ落としてしまいそうなほどの喪失感を突き付けられてしまうから。透明感を感じさせつつ、一つ一つの言葉や仕草はとても濃い色をしている。感情という目には見えないものを文字という方法で表現しきる大崎さん。大人の恋の原点のような作品に切なさは倍増。それでも残されたものは生きなければならない。いつか愛する人とまた会える日まで。2022/03/29

うさっち

16
「パイロットフィッシュ」の続編と知らず、先に読んでしまった…。愛する人を亡くしてしまう話で二人の出会いから語られており、「泣いちゃうかな」と思ったけど、意外にあっさりしたラストで泣かずに読了。ポリスの「ブリング・オン・ザ・ナイト」、キース・ジャレットの「フェイシング・ユー」など名前見てもパッと曲が浮かばないので検索しながら読んでたせいか、時間がかかった。2014/10/30

かんちゃん

15
久しぶりの再読。『パイロットフィッシュ』の雰囲気と静かなトーンを引継いでいて、私は好きな作品です。内容的にはもう一捻りあっても良いのかもしれませんが、愛する人を喪った男性の弱さと立ち上がろうともがき苦しむ様子に、ぐっとくるものがありました。大崎善生さんの作品は好きな作品と嫌いな作品にハッキリ分かれますが、これは好きな作品です。2014/05/04

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