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アラビアの夜の種族

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  • サイズ B6判/ページ数 659p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048733342
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

聴きたい者の前に、物語は姿を見せる。ナポレオンのエジプト侵攻をくい止めるため、奴隷アイユーブが探しだした「災厄の書」。そして、物語が現実を浸食し始める--。

内容説明

聖遷暦1213年、偽りの平穏に満ちたカイロ。訪れる者を幻惑するイスラムの地に、迫りくるナポレオン艦隊。対抗する手段はただひとつ、読む者を狂気に導き、歴史さえも覆す一冊の書―。

著者等紹介

古川日出男[フルカワヒデオ]
1966年福島県生まれ。早稲田大学第一文学部中退
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

327
おもしろいんだけど……うーん、ハマりきれなかった。序盤はグイグイ読み進められるのだけど、後半、物語が収束に向かっていくところでファンタジー色が強くなりすぎるし、激しいバトルシーンの描写を細かくやりすぎているのが一因かもしれない。しかし、「書物」をテーマにした壮大な物語としては著者の力量が存分に感じられ、なかなか圧倒される。本好きによる本好きのための物語であり、そして本が読者を飲み込んでしまう物語でもある。あまり時間をかけず、連休などを使って一気に読んだほうがたぶん楽しめる。2017/10/24

さっとる◎

44
放たれた「物語」という名の刺客。常に1対1である読者と書物。愛書家の愛書家による愛書家のための…本を読む人間で良かった、こういう一冊に出逢いたいがために日々、読む(*^^*)千年の時間に翻弄され運命に弄ばれ物語の海に溺れ、続きが、続きがと、語られる夜を待ちわびる。真実の歴史と、語られ拡散し不滅となる砂の年代記。冒頭こそ読みにくいのか!?と懸念したけども、ズームルッドが語り始めるとともに語られるのと同じ速度で物語を追いずっぷり嵌まりこみ抗う術なし。まさに至福の読書体験な、年末(*´-`)2015/12/30

りんご

41
びあー、長かった。。。ナポレオンの進軍を足止めするために面白い本を編纂するぞ。語り部が紡ぐお話と、進軍を並行して語ります。夜が来る、語られる。(あと何日この夜は続くのだろう)と途方に暮れるが、残りのページが減る喜びで、どうにか気力を振り絞る。で、十九夜、二十夜、二十一夜。ふっ、とうとう語り部も疲れたのだな、と吹いた。その辺から今度は急に自分の世界に登場人物たちが飛び出してきてびっくりこいちゃったね。「物語とはなんぞや」ときた。ふぁー、そういう。なるほど大きい世界でした。お疲れ様、私。2023/02/12

田氏

28
ナポレオン某ナパルトの侵攻を目前にした1798年のカイロ、その渦中で毎夜「譚られる」ファンタジー。作中話それ単体を抜き出しても、われわれ王道RPG育ちのおっさんお姉さんのハートに強烈なベアクローをかましてくる。しかしこの小説全体を眺めてみると、メタ構造のなかで物語ること・それを読むことそのものを、さらなるメタ階層から語っていて、読書趣味者のハートどころか全身を飲み込んでいる。語彙や当て字を駆使する一方で妙にライトな台詞回しは、著者(いや訳者と書くのが正しい文法だ)の露悪と感じないでもないが、問題ではない。2020/07/02

ソングライン

18
ナポレオン率いるフランス軍が攻め入ろうとするエジプト、その侵攻を防ぐための献上物として、読んだものに死をもたらすと伝えられる「災厄の書」の作成が始まります。謎の語り部が、生きる時代の異なる二人の魔術師と一人の剣士の生い立ちと野望を一夜毎に語り、それを筆記しながらその書は完成されていきます。3人の主人公がやがて邂逅する壮大なストリーと独特な会話と擬音表現に、すっかり魅せられてしまいました。2018/11/20

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