出版社内容情報
家康の死後三ヶ月、元和二年七月、その騒乱は始まった。応仁の乱以来百四十余年続いた戦乱の燠火が、未だ盤石と言えぬ徳川の世を揺るがす。三代百年の天下、家康の遺命は一人の宰相に委ねられた。
内容説明
覇者家康ついに死す。激化する外様大名と旗本の抗争、天下の統一を無に帰するか。家康の遺命で幕権を委ねられた宰相土井利勝、戦国の世と訣別すべく、あえて「悪」を行う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
5
旗本と外様大名の確執を放置しては、政権安定にひびが入るので、大久保彦左衛門を利でつりながら、巧みに大名と旗本を統制する模様がよく描かれる。御家安泰を願う池田家の家老荒尾志摩の苦衷と重厚さもよく描かれる。池宮氏は主君池田忠雄の頓死や、仇討後に急死した荒木の事情と、その背後にある志摩の役割と権力政治の闇からも視線をそらさない。土井のもとで老中として英才教育を受ける松平信綱、惣目付柳生但馬・十兵衛父子の登場など、江戸時代の草創期を彩る人物も登場し、さながら江戸武士道の政治小説を読む風情。2006/07/19
よっちゃん
1
そしてこの36人斬り、剣豪荒木又衛門だ。荒木又衛門が義弟の渡部数馬を助け武士の美学を貫き死地に赴くオハナシ。伊賀上野鍵屋ノ辻の白鉢巻きに手裏剣を束ねた勇姿が映画の記憶にもあります。残酷系ではなかったが子供の時から親しんできたこの仇討ちにはいま思えば庶民性はありませんでした。が、わたしにとっては痛快活劇のカタキウチでした。 2003/11/28
半べえ (やればできる子)
0
★★★★2011/05/10
すすき
0
江戸時代初期、国が徳川の世に収まった頃。三河以来の家臣だった旗本と関ヶ原の戦い等でにわかに領地を与えられた外様大名のあいだの確執の中で起きた事件。備前岡山藩内で起きた殺傷事件の犯人が旗本池田家にかくまわれ引き渡しを拒んだことから双方の意地の張り合いでこじれにこじれる。やっと訪れた徳川の平和の世がまた乱れることを危惧する老中土井利勝・柳生宗矩らの支えもあり、剣豪荒木又衛門が義弟の渡部数馬を助けて遂には鍵屋の辻での決戦に至り主君の無念を果たす話。2024/02/24
japan
0
☆2018/10/14