出版社内容情報
櫛森秀一は由比ヶ浜高校二年生。晴れた日は、自宅のある鵠沼から江の島、稲村ヶ崎の湘南海岸をロードレーサーで通う行動的で利発な少年。だが、今、この少年の頭の中は、完全殺人計画の想念で一杯だった。
内容説明
光と風を浴びて、17歳の少年は、海沿いの道を駆け抜ける。愛する妹と母のために―。氷のように冷たい殺意を抱いて。人間の尊厳とは何か。愛とは、正義とは、家族の絆とは―。熱き感動を呼ぶ現代日本の『罪と罰』。日本ミステリー史上、燦然と輝く永遠の名作、ここに誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユザキ部長
131
瞋恚の炎は青く、赤より高温で燃焼する。母親と妹を守る為に自分で決断を下した。後は技術的なことにすぎない。決して引き返す事は不可能だ。自滅の道しかないのか。抗ってみせる俺。「警察になんか捕まらないで!」と泣き叫ぶ彼女の尊い思い。晴天の湘南でロードレサーのペダルを漕ぐ先は。。。2017/11/03
gonta19
111
2014/3/25 Amazonの角川書店ビッグセールで購入。 700円を330円。 2017/12/18〜12/27 2年半ぶりの貴志作品。貴志さんにしては普通かなぁ。ラストももう少しヒネリが欲しかった。2017/12/27
へロム
103
他のレビューにもみられるように、読みはじめるとページをめくる手が止まりません。秀一の家族を思う気持ちが、殺人まで犯してしまうが完全犯罪はあり得ず、追い詰められていく秀一が切ない。2015/04/04
しろいるか
102
映画で秀一役をニノが演じたという先入観があったからかもしれないけど、終始、秀一に肩入れしながら読んでしまった(^^ゞ同世代の他の子よりちょっと論理的で賢いのかもしれないけど、彼の「計画」はどこか穴がありそうで、そこをつつかれたら一気に崩壊しそうな危なっかしさが漂い、ハラハラし通しだった。母や妹の遥香、紀子、ゲイツ、大門といった周囲の人に愛され守られてた秀一。彼が疾走していくR134の景色がリアルに脳裏に浮かぶ。全て若さゆえの先走った過ちから始まった。だがもう取り返しがつかない。それがあまりに哀しい。2012/07/18
はじめさん
89
2018年、7/22(日)14:00- 高松市郊外で「青の炎」読書会を開催します! https://i.bookmeter.com/events/5366