内容説明
かわいくてこわい独特の画風で注目される美術作家・奈良美智。記憶の底に触れるようなその作品に、大人は在りし日の自分の姿を、子供たちは心のなかの色々な想いを重ねる。既成の枠にとらわれない表現を追求してきた作家が、自ら作品を厳選して完成させた待望の本。メルヘンでもない、ファンタジーでもない、アート・文学・音楽…、ジャンル全体を呑みつくす想像世界がぎっしりつめこまれた一冊。アジア・アメリカ・ヨーロッパ…世界の美術愛好家が魅せられた期待の若手アーティスト、初の絵画集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
67
奈良さんの絵の一大決心をしてキリッっとにらんだような眼差しが好きだ!それは日記に書かれた次の文章からもわかる。「たった一人で一本の線の上を歩いてゆくようなんだ それは自分という船に乗った僕なんだ 上も下もまわりは全部真っ暗闇でその中をゆっくり進んでゆく 浮遊しながら進んでゆく 僕の手はどこかに届くだろうか それもわからないけど進んでゆく」2017/07/01
魚京童!
9
誰もが生きてきた時間の数だけ重いくつをはいている2014/01/22
ブラフ
8
奈良美智氏の初の絵画集とのことで手に取った。あの独特の目つきの悪い(w)女の子の絵が印象的な奈良美智氏の20年以上前の世界。コミカルなキャラクターたちだが、ヒヤリとするものも時々出てくる。不思議だけど目が離せない。表表紙、裏表紙共に折り返しの1枚絵になっている。2020/04/03
ybhkr
4
15年ほど前の奈良さんの書籍。今と比べて外部とか社会に対するメッセージ性が強いように思う。昨年の横浜美術館の展示と比較しても、このころの作品は魂の叫びというか深い深い水たまりというタイトルにふさわしい痛々しさ。痛々しいラブ。このひとは世界、概念的な言い方だけど、世界が好きなんだろうなあと思う。昨年の奈良さんは思春期から青年になったような印象を受けた。青年は青年で荒野を目指すわけだから、それはそれで混沌。でもつるっとゆで卵から殻が剥けたようなかんじ。この本はまだ殻にヒビが入っている状態という印象を受けた。2013/07/09
toki12
1
ハイパーいなふ と ナイストゥーシーユーアゲイン がよかった!2012/01/29