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内容説明
すべての真実は明らかになった。運命の糸は血を滴らせながら喉元に絡みつき、景介を奈落へと引きずり込む。一族殺しの宝刀『つうれん』は今や、忌まわしい恋を叶えるための刃となり、棗の、型羽の、檻江の、そして枯葉の生命を狙っている。反抗か、死か。二者択一の中、鈴鹿の一族の存亡をかけた最後の戦いは静かに幕を開けようとしていた。秋津依紗子に心を縛られてしまった景介と、木春により絶望を突きつけられた枯葉。ふたりが選ぶのは、永遠の断絶か、それとも再起か…?鮮血と恋慕が織りなす赤色の幻想奇譚―ここに終幕。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
34
再読。歪んだ愛が生んだ血みどろの争いの物語も遂に完結。主人公を絶望へ叩き落としてからの逆転劇は、全体を通して手堅く綺麗に纏まって良かったと思います。顔見知りの一族同士がお互いの感情を曝け出し、殺し合う姿は切なさを感じると同時に凄みみたいなものがありましたね。ただ不満なのはつーちゃんのデレる姿を最後に見れなかったことでしょうか。つーちゃんが大好きな自分としてはそこが心残りですね。何にせよ、景介と枯葉たちのラブロマンスを最後まで読む事が出来て良かった。その後の日常を描いた短編集とかでないかなぁ。2015/08/15
(●▲●)とらうまん(*^◯^*)
14
血ぬれのロマンス、完結。 木春さん最後まで悲しい人だったなぁ。 本編が終始痛々しくてつらかったので、エピローグでの皆に癒されましたw アカイロ/ロマンス……これほどふさわしいタイトルも他にないでしょう。 積みの都合で藤原祐作品の購読は今後しばらくお休みしますが、様子見中の新作や続刊待ちの@home、過去2作の購読もいずれ始められるようにしたいですね。2013/10/06
羊山羊
9
遂にやってきた、姉木春との景介を賭けたラストバトル。今までにない位バッタバタ人が死んでゆく、正にアカイロ/ロマンス。同じ想い人の為、許し、受け入れることを選択した枯葉と全てを切り捨てることを選択した木春の対峙は象徴的。名前も秋や冬を連想させる枯葉と木春が皮肉気に対照的になっていて心憎い。話の規模は小さいものの、それを上回る想いの強さに圧倒される良シリーズでした!読んでよかった。2021/09/09
コリ
8
表紙や見開き漫画が色々切ない…。アナザーストーリーとして学園ものとかやったら面白そうだよなぁ。本編は綺麗に終幕。ハッピーでもバッドでもないトゥルーエンドといった所かな。ドン底に突き落とされた景介と枯葉の立ち直りが良かった。特に自分の中での景介の男前っぷりが凄かった。そして枯葉が良妻すぎる!「この身体に誓え」反則。これは惚れるわ。木春の最期が切ない…。雅が居た事がせめてもの救いかもしれないけどやっぱりちょっと不憫かな、と。最後に印象に残ったセリフをP69の景介から。…「俺は、お前がいい。お前らがいい」2012/01/08
りべちん⊿ │⁴⁶
7
★★★★☆ 徹頭徹尾、「愛」の物語だったなぁ、と。藤原さんの作品は総じて余韻が簡素なのが特徴だが、物語をしっかり着地させた上でもう少し日常の風景も描いてくれた方が嬉しいのにといつも思う。いつも通り、結構な数の人が死んでしまったのだが、なんとも救われない死に方の人もいて残念。『レジミル』と同様に、日常短編を出して欲しいな。2012/03/13
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- ずっと死体と生きてきた。