電撃文庫<br> 断章のグリム〈11〉いばら姫〈下〉

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電撃文庫
断章のグリム〈11〉いばら姫〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784048679398
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「…し…白野さん?雪乃さん!?」真っ黒に焦げたドアと壁と天井。ひっくり返って破壊された棚。床はガラス片の混じった水で水浸し。庭に出されていた田上颯姫は、恐る恐る戻ってきた居間の前で立ち尽くす。床に凄惨な血溜まりと、ずーっと廊下の向こうへと続く人間を引きずったような血の痕が残る、誰もいない返事もない居間の前で―。始まりは『生まれ変わりの子供』の話を真喜多莉緒が母親に話したことだった。異形化した母親と荒んでいく家族関係、そして閉ざされた真喜多邸。雪乃たちを助けにきたはずの蒼衣も隔離され、惨劇は予想以上に拡がっていく。抗える者が減っていく中、雪乃の身体に異変が―。悪夢の幻想新奇譚、第十一幕。

著者等紹介

甲田学人[コウダガクト]
1977年、岡山生まれ。二松学舎大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まりも

52
「いばら姫」後編。自分の罪の象徴自分のミスで殺してしまった「梨緒」の再生を恐れ、泡禍と化した母親、耀を生き返らせる為に正常に狂気に走った父親。唯一の味方だった弟を失い「梨緒」の代替品としてしか見られないまま家族を失った梨緒が可哀そうで切なくなりました。それでも立ち上がった彼女には幸せになって貰いたいですね。針で縫われても肉を引きちぎって脱出する母親、傷口から発芽する姿、狂気に走る父親とグロさもあるけどそれ以上に痛みのある話でした。無力感に苛まれる雪乃、謎の多い可南子と色々気になる事は多いし次巻も期待。2015/01/23

そのぼん

41
下巻になるとさらに恐ろしい方向へ・・・って感じてした。幼くして亡くなった姉と同じ名前を付けられた少女が登場しますが、確かに姉の代わりのようにされたら嫌だろうなと思いました。両親もそんなつもりはなかったのかも知れませんが、もっと家族で話し合っておけば・・・、と思いました。2013/08/06

坂城 弥生

37
死んだ娘の名前を次の娘に付けるというのは親のエゴだよね…2022/04/04

Yobata

30
隔離していた筈の不死と化した母親が動きだし弟の燿,さらには葬儀屋の可南子も手にかけ逃走する。雪乃も負傷する中、颯姫が隠していたのはなんと死んだ筈の瑞姫…?死と再生に纏わる異形化した家を抜け出すことができるのか…?姫が眠りから覚めたのちのエピソードが描かれるペロー版「眠れる森の美女」も加わり、不死の泡禍を紐解いてゆく。今回は生き返らせようとした魔法使いの気持ちではなく、殺してしまった自分の罪の象徴である娘が生き返ることに恐怖した魔法使いの気持ちに焦点が当てられる。王様である父親は母親の願いである再生しか→2014/07/02

くろり - しろくろりちよ

21
※ネタバレ注意※モチーフの読み解きは「仙女による呪いと蘇りの恐怖」。言われてみれば納得せざるを得ないところが毎回素晴らしい。今回もモチーフの読み解き以上に、グロテスクさが際立つ。生物に生える芽。蒼衣の全身火傷と混乱しているようでいてやけに冷静な思考。主人公は普通に拘り普通から逸脱していく矛盾にいつ気付くのか。親殺しに子殺し、<葬儀屋>による蘇り。「蘇り」の対象的な泡禍同士をぶつけて来るのもまた乙。「……秘密よ?」死人が、蘇っているなんて。ぞっと来ます。2012/05/31

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