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内容説明
遠野綾は高校二年生。平凡な日々を送る彼女の一番の幸せは、部活を通して知り合った他校の男子生徒、村瀬一哉と毎日電話で話すことだった。何度も電話をするうちに、互いを友人以上の存在として意識し始めた二人だったが、夏休みの終わりに一哉は事故死してしまう。本来であれば、二人の物語はそれで終わったはずだった。しかし一哉の通夜の晩、綾のもとに一本の電話がかかる。電話の主は死んだはずの一哉。そして戸惑う彼女にその声は告げた。死んだのはお前の方ではないのかと…。二人が行き着く真実とは!?出会えぬ二人の運命は!?携帯電話が繋ぐパラレル・ラブストーリー。切なさともどかしさが堪らない、第15回電撃小説大賞「金賞」受賞作。
著者等紹介
静月遠火[シズキトオカ]
静岡県在住。11月生まれ。『パララバ―Parallel lovers』で第15回電撃小説大賞「金賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
assam2005
26
山本弘さんの「ビブリオバトル部」の中で主人公が推していた一冊。好きだと気づいた彼が事故死。そして、その亡くなったはずの彼から電話がかかってきた。パラレルワールドの中で励まし、支え合う。でも、触れることのできない、もどかしさと切なさ。何故死んだのか、の謎解きよりも恋愛物語として堪能しました。最後に一目会えるなら誰に何を伝えたいか。後悔のない生き方ができているだろうか。今ある「幸せ」を実感できているだろうか。想いを伝えられる事って「幸せ」なことだったんだな、と気付かせてくれた一冊です。2016/04/13
らじこ
24
面白かったけど、自分の経験のせいもあって、再読後のほうが再読前よりもラストが切なかった。やっぱり、奇跡的に何かの繋がりを持てたとしても、すでに二度と会えなくなってしまっている関係というのは後味が悲しいな、と思う。一度読んでいるので、ラストあたりで主人公が変わるそのようすに驚きこそしないものの今なら気持ちがわかる気がした。それにラストあたりが迫力あるせいか、実際に犯人がやくざなら自分一人だけでなく家族やラメルさんも巻き込むだろうと思われた。これはこれでまとまったラストだけどもう少しハッピーエンドがよかった。2015/08/22
スケキヨ
23
昨日のオフ会で百鉄氏から奪うように拝借して一気読みでした。『瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の われても末に あはむとぞ思う』の歌を彷彿とさせる物語。私の世界は「彼」がいなくて、彼の世界は「私」がいない。会話の手段は携帯電話のみ。一度離した手は再び繋げるのか?どうして離れてしまったのか、をミステリーと甘酸っぱい青春を織り交ぜて話は進みます。読後は温かいホロリな感じです。“「繋がり」は物理的距離で表すものではなく「心の距離」で表すものです”という言葉を思い出しました。2012/02/26
むーむーさん
16
静岡の方が書いた本だな 読んでみたいなとずっと思っているうちに見つからなくなっていたが大きな町に引っ越してきて試しに図書館で検索したらヒットして読めた。いい話だ。後書き1行目に出てきた高畑京一郎「タイムリープ」も図書館にあるので予約した。2016/09/02
はま
15
第二回大阪オフ会での百鉄氏オススメ本。こいつぁ面白い!後書きで名作ラノベ『タイム・リープ』に影響を受けたとある通りに伏線の散らし方もスマートで、『タイム・リープ』よりも遊びのある文章と内容。『タイム・リープ』の方が衝撃的だったけど、もしかしたらこっちの方が好きかもしれない。さすが百鉄氏!2012/05/30