内容説明
グーグルに代表される新しい企業が経済を牽引するアメリカ、驚異的な成長を続けるアイルランド。これら「21世紀型産業国家」が発展する一方で、なぜ日本は90年代以降の低迷から脱却できないのか?その原因は、ITを活用できない社会構造そのものにある。日本が向き合うべき最重要課題と、その解決手段を提示する。
目次
第1章 ITは経済社会の基幹技術
第2章 ITとは何か?―ITへの移行を、コンピュータと情報システムの観点から見る
第3章 日本の情報システムはどうなっているか?
第4章 日本の電子政府は「おもちゃ」
第5章 ITが経済社会の基本構造を変えた
第6章 未来への選択
著者等紹介
野口悠紀雄[ノグチユキオ]
1940年東京都生まれ。1963年東京大学工学部卒業。1964年大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年4月より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授
遠藤諭[エンドウサトシ]
1956年新潟県長岡市生まれ。1985年株式会社アスキー入社。『月刊アスキー』編集長などを経て、2008年4月より株式会社アスキー・メディアワークスアスキー総合研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
64
いまとなっては当然のことを書かれているのですが、当時と同じような状況である業種なども依然として存在しています。官公庁も依然としてあまりIT化は進んでおらず、やっとマイナンバーができる状況になって環境が少しは進む方向になっています。遅れていた金融機関も、すこしFin Techということでメガバンクを中心に動き出しました。最近の動きを見るとこのような本は毎年のごとく改定していく必要があるのではないかと思われます。2015/10/09
なっく
1
IT業界に身を置く私としては耳の痛い話。 筆者のおっしゃることはいちいちごもっとも。 自分の問題意識を整理する意味では役に立ちました。 でも、日本とITの相性が悪い根本の根本は未だ良く分からない。 農耕民族だったから? 島国だから? 英語圏内じゃないから? 戦争に負けたから? とにかく日本はこのままじゃいけないという危機感を新たにしました。 今後どうすべきか、ってところはほとんど内容無くて、 自分で考えろ、ということなんですかね ^^; ITの歴史も簡単にまとめられていて、若い2008/09/07
つゆき
1
新しい情報通信技術であるITは、GPT(汎用技術=General Purpose Technology)であり、組織や社会の構造と密接な関係がある。現在の日本社会はITと不適合でありその利益を享受しておらず、この点に関して基本的な転換がなければ日本経済の活性化を期待することは出来ない、という主張。ITというのは社会や組織の根幹的な情報システムに関わるもので、その意味でそれは社会インフラであり、このインフラの上での新しいビジネススタイルへの転換ということがIT革命の本質というわけですね。2011/01/14
denken
1
ITって授業で習った印象よりもよっぽど重要なんですね。情報技術の発展は便利な社会を生み出すということ,そしてITと経済発展との関連を述べたうえで,日本の情報システム水準を酷評する。このままだと産業革命に乗り遅れますよという警鐘。いやむしろ乗り遅れた上で,このままだと衰退しますよといったものか。2009/07/11
raitu
1
現状分析に終始。が、しかし、この問題に関しては周知が必要なのは本当。電子政府のレベルがアフリカ並みとかね。2009/01/02