パターン・レコグニション

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047914681
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

ケイスは新製品の売れ行きを直感的に判断できる「クールハンター」。ファッション業界を中心とした企業から相談を受け、そのジャッジにより生計をたてている。彼女の興味の中心は“フッテージ”。“フッテージ”はネット上にランダムに流されている断片的な映像で、ストーリーもないが、抜群の完成度を誇る。クライアントからロンドンでの仕事を得たケイスは友人のフラットに居をかまえる。最終的なタスクは“フッテージ”の正体を探ること。広告界の新しい分野を切り開きたいというのが目的だ。半強制的に探索に協力することになったケイスは、タキという日本人が“フッテージ”の正体の一部を解読したという情報を仕入れ、日本へと旅立った…。サイバーパンクの王者ギブスンが、現実世界を舞台に描いたスピード感あふれる極上のハイブリッド・エンタテインメント。

著者等紹介

ギブスン,ウィリアム[ギブスン,ウィリアム][Gibson,William]
1948年サウスカロライナ州生まれ。1980年代に徴兵を拒否してカナダに移住。1984年に発表した処女長編『ニューロマンサー』がSF各賞6冠に輝く。サイバーパンクSFというジャンルを世に知らしめる

浅倉久志[アサクラヒサシ]
1930年生まれ。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

44
SF好きの読書友達と「夏に読んだSF」について語り合っていた時にお奨めされました。ギブソンが描くポスト9.11.もう、21世紀(現在)の話なのにネットへのジャック・インも身体のガジェット化もできていない。でもSF的文章で描かれる喪失の受け入れ方はどこか優しい眼差しがありました。i-Book、ルイ・ヴィトン、東京と懐かしいものもありながらも馴染み深いのも不思議な感覚です。ネット上のアイドル的女子を崇拝するタキの様子が一昔前の多様性を見出さずに一括りにされていたオタク像を象徴しているのが何だか、リアルです。2014/09/08

里愛乍

27
舞台は現代。カッコいいというよりは、すごくオシャレでスタイリッシュといった印象を受けました。一貫して女性を描いているからか、まるでトレンディ海外ドラマを観ているかのよう。スプロールシリーズに比べるとガチのSFといった風ではないのだけれど、あの独特の世界観は共通して感じられたように思います。 それにしても単行本だから家読み専用にしちゃったけど、この本は1回くらい優雅にスタバでラテでも飲みながら読むべきだったな。2014/11/15

naimon

14
「フッテージ=未編集動画素材」の物語を再読。サイバーSFではなくリアルに近い状況で描かれた物語。ネットを駆け巡るカウボーイは存在しないから、地道に、そして例のシステム。そしていま8年後。Youtubeが登場し初音ミクやアノニマスとかあったけど、まだネットはダラダラとおんなじ感じ。確かに便利になったけど、もしかすると10年後も20年後もこれからも、リアルの現実はサイバーな電脳空間にはならんのかな。2012/09/19

Arataki

5
ニコ動の神動画のコミュで自治厨として活躍するケイスPたんがうp主を捜せ!との依頼を受け、秘密を持ってるっぽい日本のオタリーマンのタッキーを接待したりします。失礼があったらいけないわ!と思って渋谷のエステでキメキメにして行ったらタッキーはガチガチに緊張してアウアウってなっちゃうの。ギブスン先生!神過ぎですよ!

スターライト

4
サイバーパンクの旗手だったギブスンが、今世紀初めて発表した作品。執筆中に起こった9・11テロを取り込んだ、SFというより限りなく普通小説に近いハイテク・スリラーものといった感じ。主人公のケイスは、商品化できそうなものを発見するクール・ハンターであり、新しいロゴ・デザインが成功するかどうかを直感で見分ける仕事が専門のマーケティング・コンサルタント。と書けば従来ならいくらでもSF的展開が望めるのだが、本作はそうはならず、フッテージと呼ばれるネット上の断片的な映像の作者をさぐる物語に。ちょっと期待はずれ。2011/01/09

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