どうして僕はこんなところに

どうして僕はこんなところに

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  • サイズ B6判/ページ数 411p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047913240
  • NDC分類 935
  • Cコード C0398

出版社内容情報

世界各地への旅を続け、土地で出会う人々や風景を独特の感性と観察力で描き上げたブルース・チャトウィン。優しさと鋭さを合わせ持つ彼の語り口は、味わうほど心に染みる。本作は生前最後にまとめられたエッセイ集。

内容説明

旅を愛し、特異な眼差しで世界を凝視しつづけた永遠の旅人ブルース・チャトウィン。簡潔に研ぎ澄まされていながら、周到に巧まれている彼の言葉は、旅に見いだした“奇跡的な何か”を記しつづけた。偉大なる冒険家であり、類い希なる紀行作家だった夭逝の天才が、旅の果てに頽れるまえに残した、最初で最後の自選短編集。

目次

1 友人たちと家族のために
2 不思議な出会い
3 友人たち
4 出会い
5 ロシア
6 中国
7 人々
8 旅
9 さらに二人の人々
10 コーダ
11 美術界

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りつこ

43
旅をしているときに出会った人や出来事や歴史について書かれているのだが、静かに思索しているような文章で、読みやすいけれど共感しづらく結果的に読むのに時間がかかり、なにより感想が書きにくい…!草を求めて移動する遊牧民のようにチャトウィンも旅をしないではいられなかったのだろうか。旅でかかった病がもとで早世してしまったことを思うと、彼の旅に逼迫した使命感のようなものを感じてしまう。前半におさめられた市井の人たちの物語がとても好きだったけれど、後半は移民や戦争など避けては通れない問題を突き付けられた気がした。2017/10/15

らぱん

30
死の前年に病床で自ら書いたものを選びまとめたもので、原題は"What Am I Doing Here"「俺はここで何をやってるんだ」と無念の想いが伝わる。旅する作家のテキストはおよそ20年分で場所や人間について出来事を絡めてあり、美術鑑定士にして考古学者の博識は、エリアもジャンルも時代も守備範囲は広く、クールでアイロニカルでありながら、ホットでウエットなところに魅力を感じた。彼が語るノマドは、それが自分の原質であると理解していたに違いない。旅で病んだ彼は、いっそ旅で死にたいと思っていただろう。2019/06/08

マリカ

28
学生のときに「パタゴニア」を読んで以来のチャトウィン。私はチャトウィンのような見知らぬ土地でもすくっと立っていられる人にめっぽう弱い。そして彼の書くような、その土地のエネルギーを吸収して自立した文章にも弱い。この自選短編集には、放浪を愛したチャトウィンの人生のかけらが収められている。それぞれのかけらが凄まじいエネルギーをはらみ、今にも悠久の物語となって下流へと流れ出していきそうだ。しかし、それらの物語の語り手であるチャトウィンは既にこの世にはいない。2012/05/23

kei

14
物語やエッセイが収められた短編集。 チャトウィンの人生そのものが纏められていた 印象を受けました。 場所、人物に幅広くスポットが当てられるため 読みこなすのにとても骨が折れましが 楽しい旅かどうかはさておき自分も旅をしている 気分になりました。2018/02/10

erierif

14
旅の作家ブルース・チャトウィンの生涯最後の本。断章、物語、人物素描、紀行談…多彩さに魅了されながら読んだ。アンドレ・マルローの鋭い洞察力やネパールのシェルパやコレクターに有名人…沢山の章を次々と読んでいると色んな想いが伝わってくる。たとえば最初の章。病棟で1番好きな掃除とお茶のお世話をしてくれるアスンタ。病床でもパレルモ生まれの彼女から地中海の風を感じて心を浮き立たせる。旅を愛し人を愛した人柄を感じる。中国やネパールにもかなり行っていたようだ。次の作品の構想がこの中にあったのかもしれない…。農耕民族、遊牧2015/05/31

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