内容説明
ジョナサンとボビー。ふたりの少年が新学期の第1日目に出逢うところから物語は始まる。ふたりは無二の親友になった。ウッドストックに憧れながら一緒にレコードを聞いたり、マリファナを吸ったり…。ジョナサンは自分がゲイであることを自覚し始めていた。ジョナサンとボビーは少年らしい好奇心から結ばれる。ジョナサンは大学に進学するためにニューヨークに移り住んだ。ジョナサンはクレアという10歳も年上の女性と暮らしていたが、ボビーがそこに転がり込む。ジョナサンとボビーとクレア。3人は奇妙な擬似家族生活を始め、やがて3人に子供が生まれる…。傷つくことを恐れる世代の愛と性を叙情を越えた美しさで綴る。世界9ヶ国で翻訳され絶賛された名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hagen
1
時間と距離を隔てた「家」という家族を包み込む、時にはイガミ合い、慰めあう場の中心としての場所。もう一つはたとえ遠くにいても、又、何時の時か帰省する場所としてのかけがえのない存在。物語に登場するどこか孤独で世間から認められ事の無いマイノリティーである彼らは、幾たびか離合を繰り返しながらお互いの価値と自分の生きるフィールドを見いだしていく。その課程は死の予感を伴いながら連綿と続いていくのだろう。この物語の後にも尚、彼らの生き様と、死に際が待ち受けているのだろうが、それは読み終えた読者が想像するしかない。2018/08/24