内容説明
松原龍は愛犬と勝浦の別荘地で、都会のしがらみから離れた静かな生活を送っていた。龍は浜辺で見知らぬ女・内村杏奈と出会う。杏奈はアメリカで急成長を遂げた日系企業ムーン・インダストリーの会長・秋月の元から逃げてきたという。龍は杏奈に対し、捨て去っていたと思っていた恋愛感情が呼び起こされるのを感じてしまう。そして杏奈を匿うことに決めたのだが、秋月のエージェントと思われる男に連れ去られてしまった。杏奈を失った龍は、つかの間の時間を過ごしただけなのに、どうしようもなく杏奈に惹かれている自分を発見する。杏奈を追って、軽井沢、石垣島と、静かなる男の激しい闘いが始まる―。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年、名古屋生まれ。79年『感傷の街角』で小説推理新人賞を受賞後デビュー。86年『深夜曲馬団』で日本冒険小説協会最優秀短編賞を、91年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、94年『無間人形新宿鮫4』で直木賞、04年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞を受賞
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