内容説明
不思議な旅人の衆であった。一人は黒い肌に隆たる筋骨の巨体、渡来の大剣を背にした蓬髪の漢、万源九郎。一人は40代半ばの小男、忍にして味は申。いま一人は舞。大坂城陥落寸前に秀頼の子種を秘法にて孕んだ女の忍より生まれた娘。彼等には追手があった。豊臣の血を享れた舞の命。これを執拗に狙うのが土蜘蛛の一党であった。が、舞には蘭と名乗るもうひとつの魂があった。己を天空よりの使者だという。一人、武蔵に斃された筈の小次郎が大峯山に顕れた。さらに、怪異は続く。天より墜ちた鬼船は何を語るのか―。歴史を縦横無迅に、鮮やかにぶった斬る超時代伝奇ロマン、待望の第2弾。