出版社内容情報
近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。
◆【特典付き!】※「倉庫在庫」のみ
「倉庫在庫」でご注文のお客様(店舗受取りを含む)には特典として「呪いのシール第2弾」をお付けします。
特典は無くなり次第終了となりますのでお早めに!
内容説明
はじめまして。背筋と申します。この本に収録されている様々な形式の文章は、オカルト雑誌に掲載する特集のために、ライターの私と、編集者で友人でもある小沢くんの手によって収集されたものです。それらは、近畿地方の「ある場所」に関連した文章です。私たちは、「ある場所」に潜む怪異の存在に気づきました。そして、調べを進める中で小沢くんが消息を絶ってしまいました。私は彼を捜しています。どうか皆さんこの本をお読みいただき、情報をお持ちの方はご連絡ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
448
起承転結が明確なものを小説とするならば、本書は該当しない。噂話や取材メモ、SNSの書き込みや思い出などが雑然と積み重なり、何が言いたかったのか不明のまま終わるのだから。しかしホラーものでは、この形式が意外な効果を発揮する。科学に毒され超自然な存在を頭から否定する現代人には、一切が論理的に解明されず得体の知れぬ恐怖が生のまま提示される強烈な怖さが襲ってくる。時折り挟まれる異様なイラストが、その怖さを一層かき立てる。いわば非論理性に混乱し心乱される、凡百のホラーとは異なる不気味さに、思わず背筋が戦慄するのだ。2023/10/07
bunmei
341
フィクションをノンフィクション仕立てで展開するモキュメンタリー小説。フィクションでありながらも、見えない恐怖を身近なモノとして浮かび上がらせてくる。その恐怖の舞台となるのが、あるダムに隣接する近畿地方の●●●●●の山奥の一帯。ジャパニーズホラーらしく、背筋に悪寒を感じ自分の背後を振り返ってしまう世界観に引きずり込まれる。山へ誘い込む声、赤いコートの女、集団ヒステリー、自殺が頻発に起こるマンション、呪いのシール等、不可思議なそれらの事案が、あの山奥と繋がっていった時、呪われた扉の奥が明らかになっていく。 2023/11/11
Kanonlicht
341
失踪したオカルト雑誌編集者の残した数々の資料から、ある地域に集中して起こっている怪異の起源に迫っていく。最近またこの手のモキュメンタリーが小説に限らず各メディアで流行っているけれど、面白い作品に共通するのは「モヤモヤ感」。結局あれは何なの?と思うからつづきが気になったり、考察したくなるわけで、わからないからこそ怖い。この本もなんだかスッキリしない、あえてぼかした表現が絶妙。普通の人間が突然おかしくなるのが一番怖い。2023/09/12
R
261
この本そのものが怪文書っぽくて、よくできたホラーコンテンツだと感心した。オカルトをほどよく楽しめる内容で、いかにもありそうな怪談の成立なんかをもっともらしく語っているところが非常に面白い。実際そういうことかもしれないと思わせつつ、それと別にある場所なる謎をチラつかせて、似たような話をいくつも重ねるという構成そのものが、よく練られていると感じられて楽しかった。絶妙な不気味さで、何も解決も完結もしないというのが後を引く。2024/01/11
中玉ケビン砂糖
250
(詳しくは本編を)好奇心は猫をも殺すと言うが、とある怪奇作家の弁を引くなら「怪異譚をすすんで好む者はどんなかたちであれ、それが及ぼす累にも責任を持つべきじゃないだろうか」。とりま何にせよ●●●●●、見つけてくださ(【読書の秋も、やっぱり怪談】)2023/09/24