角川oneテーマ21
テロリズムの罠〈左巻〉新自由主義社会の行方

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784047101777
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C0230

内容説明

秋原原無差別殺傷事件、うち続く政権崩壊…。二〇〇七年から「最悪の年」二〇〇八年にかけて起きた国内の数々の事件・出来事、そして一大ブームとなった『蟹工船』の犀利な読解・分析を通じ、日本国家を弱体化すると共に暴力化し、日本社会の中に絶対的貧困とテロリズムへの期待を生み出した新自由主義の内在論理を徹底的に解読する。

目次

なぜいま国家について語らなくてはならないのか
第1部 滞留する殺意―暴力化する国家と社会の論理(国家と社会と殺人;『蟹工船』異論;控訴棄却;農本主義と生産の思想)
第2部 沈みゆく国家―新自由主義と保守主義の相克(内閣自壊;情報漏洩;支持率二パーセントでも政権は維持できる;北方領土と竹島)

著者等紹介

佐藤優[サトウマサル]
1960年生まれ。起訴休職外務事務官・作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、ノンキャリアの専門職員として外務省入省。在ロンドン、在モスクワ日本大使館勤務を経て本省国際情報局分析第一課に勤務。外交官を務めるかたわらモスクワ国立大学哲学部、東京大学教養学部で教鞭をとる。主任分析官として活躍していた2002年に背任・偽計業務妨害容疑で逮捕。512日の勾留を経て03年10月に保釈。執行猶予付き有罪判決をめぐり、現在も最高裁に上告中。著書に、『国家の罠』(新潮社、第59回毎日出版文化賞特別賞)、『自壊する帝国』(新潮社、第38回大宅壮一ノンフィクション賞/第5回新潮ドキュメント賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とくけんちょ

55
ちょいと古い本なので、そんなこともあったと思い返しながら読了。インテリジェンス、ロシアへの情報漏洩事案。日本は諜報戦に弱いわけではなく、教育による防御力が弱い、つまりは軽視されているということだろう。スパイ活動を取り締まる、それか政府で情報を統制する。信頼される国家としては必要か。小泉さんと安倍さんの対比も興味深かった。2020/08/23

SOHSA

27
《購入本》佐藤優の言説はいつも明快で鋭敏だ。本書は6年前に書かれたものだか、その後の世界状況の変遷を踏まえてもなお説得力を有している。この左巻は「新自由主義の行方」と副題してその行きつく先の危険性を示している。佐藤優の読み説きにわくわくしながら最後まで一気に読み終えた。2015/12/17

AICHAN

25
図書館本。「新自由主義が国家と社会がもつ暴力を加速する傾向にある」「国家はその本質において合法的な暴力を独占する機関である」「新自由主義が理想とする“小さな政府”とは、国家機能から福祉、教育などの分野を削り取り、治安、外交、国防に国家機能を極力限定していこうという発想だ」「新自由主義は、生活における貨幣の比重を高めてしまうので危険だ」「新自由主義…現在貧しい者も努力すれば市場の競争で挽回することができる…は嘘だ」…私の頭の中でもやもやしていたことを論理的な言葉でまとめてくれている。すっきりした。2016/07/19

James Hayashi

24
⑴秋葉原事件に関し、特命インテリジェンスチームを作り内在的論理を追求するように訴える。この事件発生後10日余りで宮崎勤ら3人の死刑を執行した日本は弱体化している。⑵都知事が防衛大臣時(2007)、守屋武昌防衛事務次官を勇退させたが、当時の首相とのやり取りなど卑劣さを感じる。⑶メドベージェフ前ロシア大統領は2008年洞爺湖サミットで領土問題を抱えていることを認めている。プーチンの任期は2024年まで。メ大統領なら交渉がやり易いかも。⑷「蟹工船」より葉山嘉樹の「海に生くる人々」のほうがリアリティがあると2017/10/21

おおにし

21
左巻の方では新自由主義批判。新自由主義はアトム的世界観をもっており、規制緩和の先は「無規制」を小さな政府の先は「無政府」を目指す。アナキズムと親和性がある主義。新自由主義で人々は個体に分断されて、国民としての連帯感が希薄となった。また、政治は各政党(政党Partyは一部分の代表)が自らの利益をめぐって討議し折り合いをつけるゲームである。だから一つの政党が国民全体の利益を体現しようとすると政党が必要なくなり、全体主義国家へ進む可能性がある。私には今の日本がこの方向へ進んでいる気がしてならない。2022/08/31

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