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内容説明
テロとの戦い、ファンタジーの世界的ブーム、ネットでの中傷による殺人事件…。いまや社会において人々を動かしているのは「物語」である。80年代後半にイデオロギーによる社会設計が有効性を失い、複雑化する世界を見通すことが出来なくなった時、人々は説明の原理を「物語」の因果律に求めた。それは善と悪、敵対者、援助者など単純化された要素により成り立つ因果律である。それは分かり易さ故に人々を動員し政治をも動かし始めた。イデオロギーが「物語」に取って代わられた時代、世界はどこへ向かうのか?そのリスクはいかなるものなのか?「物語」が「私」と「国家」を動員し始めている。
目次
第1章 創作する読者と物語るコンピュータ(「物語」がイデオロギーを代行する時代とは;記号的価値としての「物語」 ほか)
第2章 キャラクターとしての「私」(都市伝説と集合的な作者;「現実」は明治三十年代に作られた ほか)
第3章 イデオロギー化する「物語」(新化論的な因果律の消滅した世界;「キャラを立てたい」日本 ほか)
あとがき なぜ、ぼくは「近代的言説」を「擁護」しようとするのか
著者等紹介
大塚英志[オオツカエイジ]
まんが原作者、小説家、評論家、編集者。1958年生まれ。筑波大学人文学類卒業。日本民俗学専攻。まんが誌フリー編集者を経て、その後は、まんが原作者やジュニアノベルズ作家、評論家として活躍。『“まんが”の構造』『少女民俗学』などサブカルチャーとおたく文化の視野からの評論・社会時評が注目され、『多重人格探偵サイコ』『木島日記』の原作でも脚光を浴びる
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感想・レビュー
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