私が源氏物語を書いたわけ―紫式部ひとり語り

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784046532480
  • NDC分類 910.23
  • Cコード C0093

出版社内容情報

『源氏物語』の第一人者が「紫式部の一人語り」で描く、源氏物語の時代!

侍女になりたくなかった紫式部が中宮の侍女となった理由、宮中の人付き合いの難しさ、主人中宮彰子への賛嘆、ライバル清少納言への批判……。『源氏物語』の時代の宮廷生活、執筆動機がわかる!

内容説明

紫式部が宮廷生活を語る。数々の悲しい別れ、創作の秘密…。源氏物語の舞台裏が今、明らかに。源氏物語研究の第一人者が、資料を駆使して、その時代と人間模様を描き出す。

目次

会者定離―雲隠れにし夜半の月
矜持―男子にて持たらぬこそ、幸ひなかりけれ
恋―春は解くるもの
喪失―「世」と「身」と「心」
創作―はかなき物語
出仕―いま九重ぞ思ひ乱るる
本領発揮―楽府といふ書
皇子誕生―秋のけはひ入り立つままに
違和感―我も浮きたる世を過ぐしつつ
女房―ものの飾りにはあらず
「御堂関白道長妾」―戸を叩く人
汚点―しるき日かげをあはれとぞ見し
崩御と客死―なほこのたびは生かむとぞおもふ
到達―憂しと見つつも永らふるかな

著者等紹介

山本淳子[ヤマモトジュンコ]
1960年石川県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。高等学校教諭の経験のあとに大学院に入り、金沢大学などの非常勤講師を経て京都学園大学教授。著書に、『源氏物語の時代―一条天皇と后たちのものがたり』(朝日選書、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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さつき

74
紫式部が源氏物語を描いた経緯やその心情を本人の独白形式で描いた作品。少し前までは帝にも近しく時めいていた家系への誇り、あっという間に旅立ってしまった亡き夫との儚い縁、幼い頃から親しみ自らの血肉となった漢学への複雑な思い、など本当に本人に語られているかのような臨場感でした。現実の世界は思うにまかせない事ばかり。でも心だけは私自身のもの。弱い立場にある女性に寄り添った物語が千年以上前に書かれたことに感動するし、遥か昔の人と感覚を共有できたような親しみを感じます。2023/02/11

sofia

35
いろいろな資料を読み、紫式部として「あの時代」を語った山本淳子氏の本。冲方丁の『月と日の后』を読み彰子の一生を知った上で読むと本当にわかりやすいしおもしろい。面倒くさい紫式部、最初こそいらいらするが、やはり魅力的な人である。定子像が清少納言によって永久的にいいものになるという見解を持ちながらの批判、そして怨霊に対する考え、現実が源氏物語に近づいていく不思議など、おもしろい。2022/06/12

もえ

29
『紫式部日記』と『紫式部集』を元に、紫式部にひとり語りをさせた本。紫式部の心のうちがリアルに感じられて、まるでドラマを観ているかのような面白さがあった。特に夫の宣孝が結婚してわずか3年で亡くなり、一条天皇の中宮彰子の元に女房として出仕するくだりは、ドキドキしながら読んだ。初出仕してすぐに紫式部は自宅に帰り、5ヶ月もひきこもってしまったのだ。内気ながらも賢い紫式部は、その後の挽回も見事で『源氏物語』を書きながら長く彰子を支え続けていく。憂多き紫式部の人生観が全編に溢れて出て『源氏物語』の世界とも被っていく。2023/11/01

coco夏ko10角

27
紫式部の「心の伝記」のような素敵な作品。紫式部本人のことや周りのあれこれが見えてくる。特に様々な年代・場面での彰子の気持ちを想像すると苦しい。紫式部目線だとやっぱり清少納言が嫌な女に見える…清少納言側から見れば紫式部が嫌な感じに見えるし、このへんは時代と女だなぁ。あと和泉式部に関して歌人ということくらいしか知らなかったので、こんなに歌が上手くて恋愛がすごかったなんて驚きでもっと知りたくなった。2014/08/23

りず

19
源氏物語の論文や文献は多々あれど、小説のような研究書にはお目にかかったことはない!いや本当にすごい。研究者でもない一般のただ読書好きな人間に一千年前の人物をありありと想像させるこの筆力。脱帽。常識や言葉、風習は違えども、心の機微や人間関係、女性の立場などは変わっていない。ああ、日本人だなあとしみじみと感じた。職場のいじめや所謂「出る杭は打たれる」のは平安時代にもあったか。源氏物語に漢学の知識をふんだんに盛り込み分かる人だけに分かればよいという態度、はっきり言って嫌いじゃない(笑)。さあ!源氏物語読も♪2018/01/25

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