内容説明
開戦に反対の立場を貫きながら、東京裁判で絞首刑を宣告された唯一の文官・広田弘毅。「自ら計らわぬ」を信条に一切の自己弁護を放棄し、苛酷な運命に従ったその生涯を描いて、戦争責任の意味を深く問う傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Noboru
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2014年読了。
ジョバンニ
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★★★★★ 後世に残していくべき本である。広田弘毅という一人の文官がなぜA級戦犯で処刑されることになったのか。それは「自ら計らわず」生きたからである。――ぬるい世の中で不満を口にしながら生きている私にとっては、頭を殴られるような気分になる本。どうしてこういう優秀な人を・・・本当に戦争はなんて無常のものなんだろう。「幻の虎」を読んでもまた同様に思わざるを得ない。2014/05/05
nonta09
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読了後、何かもやっとする。戦争回避する為の働きかけを行い、外交官として立派だったのはわかる。ただ東京裁判での「計らわぬ」姿を見ていると生きる気力を失って死なないと許されない様な姿に寂しい気持ちを覚えた。個人の思いは尊重されるべきだが悪あがきしてこその人間だとも思う。2020/09/23