内容説明
前世紀初頭、ヨーロッパの小国ソヴュール。極東の島国から留学した久城一弥は、聖マルグリット学園の図書館塔で奇妙な美少女・ヴィクトリカと出会った。彼女の頭脳は学園の難事件を次々解決してゆくが、ある日ヴィクトリカと一弥は豪華客船に招待され、そこで本物の殺人事件に遭遇してしまう。やがて彼ら自身に危機が迫ったとき、ヴィクトリカは―!?直木賞作家が贈る、キュートでダークなミステリ・シリーズ。
著者等紹介
桜庭一樹[サクラバカズキ]
2000年デビュー。04年『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が、ジャンルを超えて高い評価を受け、07年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞を受賞。同書は直木賞にもノミネートされた。08年『私の男』で第138回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
429
本書を手にした訳は、TVアニメの『GOSICK』の”ソヴュール編”を観たからです。本書の冒頭に登場する『野兎を走らせろ!』は”ブラッド・スポーツ”と呼ばれるものの一種で、動物に暴力をふるう・動物同士を戦わせて楽しむスポーツであり余興。その歴史は古く、市民だけでなく王侯貴族からも広く好まれた見世物。例えばエリザベス朝時代のイギリスでは熊や猿を連れた旅芸人が犬をけしかけたり、観衆に石を投げさせて娯楽としていた。ブラッド・スポーツで興行的な要素がなく、本来の狩猟に近い形態はスポーツハンティングと表現している。2018/10/01
遥かなる想い
296
名探偵少女ヴィクトリカと相棒の久城一弥のコンビが微笑ましく、TVアニメ化されたのもわかる感じがする。推理小説としてみると、もう少し書き込みが欲しい感じもするが桜庭一樹の 違う一面を見た感じ。個人的には「私の男」の方が面白いと思う。2011/07/24
チェシャ猫
279
謎多き美少女と生真面目で勇敢な男の子と話し。美少女は少年に信頼をおき、少年を別の少女に恋心を抱く。果たしてこの関係はどうなる事やら。推理小説としてはトリックが少し弱い気がするけど(霊の部屋、脈、占い師の殺害方法)、犯人は誰だというドキドキ感が良かった。最後の占いの〆で妙に納得したら、最後にオチが2つのつなげ方が良かった。2014/11/16
kishikan
267
ヨーロッパミステリスタイルで、ちょうど時代設定はシャーロックホームズの頃って感じだなぁ、どうなんだろう。舞台はヨーロッパのソヴェール(ってどこなんだろうソビエトじゃないよね)、その国の聖マルグリット学園に極東の島国(これは日本でしょう)から留学してきた主人公久城君。彼が奇妙な縁で、学校の巨大な図書館の塔の最上階の秘密の部屋で時を過ごす少女ヴィクトリカと奇妙な事件に巻き込まれる、っていう話。ホームズばりの彼女の凄い推理力と知力で、ホラーがかった殺人事件を解決するって話。シリーズ化されているので、次も楽しみ!2015/07/13
kaizen@名古屋de朝活読書会
244
発見角川】学園物、推理小説、冒険小説、読み進めていくうちに,どういう分類なのか迷う。最初に登場人物一覧があるのは嬉しい。地名の入った地図もあると有難かったかも。解説金原端人。2013/08/24