内容説明
オウムの時代からネットバブル崩壊、そして自衛隊イラク派遣まで「論壇」を舞台に書かれた言葉の数々。この十年、社会は急速に階級化し、「自己責任」が是とされてきた。多くの言論人とメディアが右傾化と保身に転向し、公共性が社会から失われつつある現在、著者はあえて「戦後民主主義」こそが理念としてなお有効性を持つと主張する。個人が暗黙に「空気」を読むことを要求され、語るべき言葉が沈黙する時、それはファシズムの到来ではないのか?一貫して同じ場所から語り続けるサヨクの矜持。
目次
第1部 神が宿らない細部もある(サブカルチャーである、ということ;編集者である、ということ ほか)
第2部 プチ禁忌の時代(だいたいでいいじゃないか;ぼくが好きだった江藤淳 ほか)
第3部 君は誰から君を守るのか(いかに戦後民主主義を語るか;消費社会論再考 ほか)
第4部 メイキングつきの世界の果てで(メイキングつきの政治;誰が「新しい日本国憲法」を書くのか ほか)
著者等紹介
大塚英志[オオツカエイジ]
1958年、東京都生まれ。批評誌『新現実』主宰。批評家、編集者、作家、まんが原作者
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