角川文庫 角川ソフィア文庫<br> 科学哲学者柏木達彦のプラトン講義

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科学哲学者柏木達彦のプラトン講義

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784044094157
  • NDC分類 104
  • Cコード C0110

内容説明

科学は世界を正確に映し出しているか。言葉と実在の繋がりに疑問を抱く物理専攻の咲村紫苑が、科学哲学者・柏木達彦を再び訪ねる。古都の大学、晩秋の課外授業が始まった。プラトンの描く理想国家・アトランティスが星空にあったとする驚くべき学説を紹介する柏木。かつて存在するとされたものが後の研究で存在しないと修正されることがある科学の歴史。そこにひそむ根源的観念論とは。「知る」と「信じる」の関係を解き明かす柏木シリーズ第2弾。

目次

第1話 紫苑の疑問(前期試験;フロギストン ほか)
第2話 送別会(後期授業の準備中に;知識と事実の親密な関係 ほか)
第3話 星空のアトランティス(アメリカ先住民の遺跡;なんのための「まじないの輪」か? ほか)
第4話 秋深き(両手に花?;観念論 ほか)

著者等紹介

冨田恭彦[トミダヤスヒコ]
1952年、香川県生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。同大学大学院文学研究科博士課程修了。京都大学博士(文学)。専攻は哲学。ハーバード大学客員研究員などを経て、京都大学大学院人間・環境学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

北条ひかり

3
9時間19分。著者によるこのシリーズは、第1作も面白かったので、第2作も読んでみた。指示理論、理論負荷性、価値相対主義、観念論について、楽しく学ぶことができる上に、あのアトランティス物語(プラトンの「ティマイオス」「クリティアス」)までわかっちゃうなんで、なんてお得な本!ではありませんか。科学・哲学に興味がある高校生から、私のようにプログラミング言語と日々格闘している社会人にも役立つ(ただし、学問をちゃんとやっている大学生・院生には不要。笑。)かも?2016/10/13

issy

1
言葉と実在の関係から、観察の理論負荷性の話に繋がり、観念論の入り口をちらりと覗く、という流れ。理論負荷性の具体例として出てくる、プラトンのアトランティス物語の二つの解釈論の説明に、かなりページ数が割かれている。この部分自体は面白いのだが、哲学講義としてはやや物足りない気がする。2010/06/09

(k・o・n)b

0
全体として「観察の理論負荷性」、そして「事実の相対性」について。このことが、1章では指示理論との関係から説明され、3章では事実の理解が相対的な例としてアトランティスの話の解釈が述べられる(この話自体、読み物として普通におもしろい)。これは一見無制限な相対主義や物質否定の観念論を認めてるように見えて受け入れ難いかもしれないが、(そういうわけじゃないし)、自分が自分の信じていることを足がかりに考えていることを認識し、柔軟な思考を持つことが大切だ、みたいな感じ。次巻を読むのが楽しみ。2015/08/01

キュウキュウ

0
主に観察の理論負荷性のお話。名著。2014/03/02

アロゲロゲ

0
世界の在り方を科学によって解き明かす時も過去の歴史を解釈する時にも自分たちの今持っている考え方を用いて行うしかなく、ありのままに受け取れるわけではないが、それでもなんでもいいの相対主義ではそこから何も進まなくなってしまうのでダメという考え方が指示理論や観察の理論負荷性の話を通して語られる。三話のアトランティスの天文学的解釈の話は思ったけどちょっと長いかなと思った。2013/05/26

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