内容説明
権大納言の息子は内気でおしとやか、対して娘は活発で外交的。このままでは貴族として暮らすことが難しいと心配した父親は、2人を男女の性を取り替えて成人式をあげさせた。娘は男性として女性と結婚、息子は女官として女性の東宮へ出仕。すべては順調に進んでいるようだったが…。『源氏物語』の影響を色濃くうけながら新たな境地を開いた物語は、登場人物の心に深く分け入りながら、大団円へと物語を収斂させていく。
目次
悩める大納言の登場
内気な若君と活発な姫君
姫君(実は男君)の裳着
若君(実は女君)の加冠
宮の中将の登場
女君の結婚問題
偽装された結婚生活
女君の憂愁
男君、尚侍として出仕する
きょうだいの合奏〔ほか〕
著者等紹介
鈴木裕子[スズキヒロコ]
東京生まれ。駒澤大学教授。東京女子大学大学院修了。平安文学専攻、特に『源氏物語』を中心テーマとする。高野裕子の名で歌集に『煙色の子猫』(角川書店)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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