内容説明
「これは贋作ではないか?」かつて、ルーヴル美術館で凛田莉子が『モナ・リザ』に抱いた違和感。その直感が、莉子の人生に転機をもたらす。37年ぶりに日本開催が決まった『モナ・リザ』展。そのスタッフ登用試験に選抜されたのだ!鑑定士として認められた、初めての大舞台。莉子はこれまで培ってきた全てを注いで合格を目指すが、『モナ・リザ』の謎が襲いかかる。最大の危機、到来!書き下ろし「Qシリーズ」第9弾。
著者等紹介
松岡圭祐[マツオカケイスケ]
1968年12月3日、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作『千里眼』シリーズは累計628万部を超える人気作となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どんちん
215
意味ありなⅤのエンディングはここにつながってきたか。流れとしてはいいだが、偽授業で出てくる偽モナが判別つかない?既にその時点で感性がずれてきている?選抜試験では感覚的に本物を見分けられたのに。雨森華蓮の登場はうれしいが、非現実的ではあるが、近況報告はナイス。と、設定の規模が大きくなるとそれに比例し突っ込みどころも一層満載w それでも、それにのっかりテンポのいい展開を楽しめるこのシリーズは楽しい。二人の距離が明確に描かれ、今後の展開へも期待ができるか?これが映画化されるようで、タイミングよく読めたなw2013/11/21
れみ
204
映画原作のエピソード。37年ぶりに日本で開催されることになったモナ・リザ展。その臨時学芸員になれるチャンスが巡ってきた莉子は小笠原とともにパリへ。しかしその裏で莉子と小笠原の周囲ではモナ・リザを巡る事件が起こる…というお話。映画で観てだいたいどんな展開になるか分かっててもドキドキするし、映画には出てこない部分も楽しめて良かったし、物語が動き出す前の些細な出来事が描かれたようにも見える部分に重要な伏線があるのも好きな感じ。2015/02/10
修一朗
191
相手が、モナリザ、ルーブルだからかな、シリーズの中で一番面白く読めました。薀蓄も一番体系的で、伏線の仕掛けたたみ方に一貫性あって、懐かしい人の再登場もあったりで、なんだかんだいいながらここまで読んできた人ならではの到達感あります。映画予告編のチラ見して、ダビンチコード的なミステリーを想定してたんだけど、違いました。ほとんど日本にいたし。今回は小笠原、存在感ちょい見せたな。しかし映画公開終わったころに原作にたどり着くという、このタイミングは、なんだよなー。男性読者の間では本作がシリーズNo.1評価らしい。2014/07/25
absinthe
161
映画化されたエピソード。緊張感があって面白い。事件らしい事件が起こる前からぐいぐい引き込まれた。シリーズ全体ののほほんとしたイメージと少し異なり、本作はピンと張りつめた感覚だ。
hiro
146
映画を観るため、少し順番を飛ばしてこのⅨを読んだ。この本を読み終わってすぐに映画も観た。このシリーズを読むのは6冊目だか、今回真贋を鑑定するのは、誰もが知っているあの「モナ・リザ」ということもあり、国際的にもスケールが大きく、今まで読んだこのシリーズのなかで一番面白かった。特に、臨時学芸員の研修を受ける莉子と、イギリスの公爵を取材のため旅行している小笠原とが、どのように関係しているのか見当が付かなかった。しかし、今の時代に「モナ・リザ」を保管する金庫に監視カメラもないという設定は、少しお粗末だと思う。2015/02/07