内容説明
日本人は、心身を安定させる技としての息の仕方を忘れ、キレやすい身体になってしまった。今こそ、日本人の優れた呼吸の仕方を蘇らせよう。丹田呼吸法、禅の瞑想といった高度な技、数千年の叡智を、誰にでもできるシンプルな「型」に凝縮した齋藤式呼吸法を実践することで、精神が安定し、集中力が増し、疲れにくくなる。呼吸を通じて日本文化の真髄に迫る、齋藤身体論の集大成、感動の名著、ついに文庫化。
目次
第1話 なぜ「息」を考えるのか
第2話 呼吸法とは何か
第3話 息と心の関係
第4話 日本は息の文化だった
第5話 教育の基盤は息である
第6話 危険な呼吸法・安全な呼吸法
第7話 息を感じて生きる
著者等紹介
齋藤孝[サイトウタカシ]
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。主著に、『身体感覚を取り戻す』(新潮学芸賞)、『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
78
当方は中村天風の書籍がきっかけで「呼吸」の大切さと心身への影響力を知りました。なので、著者が本書で述べられていることがすごく良く分りましたし共感も深いものでした。著者の渾身の作が「息の人間学」とのことらしいので、機会があれば是非にでも、と思いました。2017/04/16
ehirano1
64
再読、というかいつでも気付けるように鞄に一冊、PCの横に一冊に常備しています。唯習慣化するだけで日常が随分違うことが当方は実体験として得ています(当方は随分時間がかかりましたが・・・苦笑)。効果は直ぐには出ないことを著者は言及していないので、根気よく続けることが肝要だと思います。2017/07/15
りえこ
31
素晴らしい本でした。知りたかった事がたくさん書かれていたり、新たな知識にもつながり、呼吸の大切さがよくわかりました。2016/09/03
リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん
30
如何に深い呼吸を無意識に出来るようにするかが重要です。それには綺麗な姿勢が必要になります。戦後教育の最大の失敗はヨガを授業に入れなかった事と本書の中に有りましたが、集中力を欠いた人間の多い昨今、懸念が現実になっているかもしれません。呼吸は人間にとって切っては切れない関係です。理想の呼吸は赤ちゃんの呼吸だそうです。幸運にも私には眼の前に呼吸の先生がいるので、子育てがてら、呼吸を観察してみようと思います。2015/08/01
ミッキー・ダック
23
H15年刊。斉藤先生の余技かと思ったが、「教育の基盤は息にある」という信念に基づく20年以上の研究成果による労作だった。現代人が、感情をコントロールできず、集中力も粘りもなくなっている一因は、日本の息の文化が戦後廃れたからだと言う。長くゆるく吐くことが、リラックスした体の構えを作り、心をコントロールするのだ。教育の役割は、知識を教えることよりも、学ぶ構えを教えることではないかと考え、誰にでも簡単にできる齋藤式呼吸法を開発し現場で実践している。呼吸がいかに深く精神状態と繋がっているかを改めて教えられた。 2015/06/16