出版社内容情報
新直木賞作家が紡ぐ、衝撃の問題作!あいつを殺したい。奴のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。でも、私には殺すことができない。殺人者になるために、私には一体何が欠けているのだろうか。心の闇に潜む殺人願望を描く、衝撃の問題作!
東野 圭吾[ヒガシノ ケイゴ]
著・文・その他
角川書店装丁室 高柳雅人[カドカワショテンソウテイシツ タカヤナギマサト]
著・文・その他
角川書店装丁室[カドカワショテンソウテイシツ]
著・文・その他
内容説明
「倉持修を殺そう」と思ったのはいつからだろう。悪魔の如きあの男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。そして数多くの人間が不幸になった。あいつだけは生かしておいてはならない。でも、私には殺すことができないのだ。殺人者になるために、私に欠けているものはいったい何なのだろうか?人が人を殺すという行為は如何なることか。直木賞作家が描く、「憎悪」と「殺意」の一大叙事詩。
著者等紹介
東野圭吾[ヒガシノケイゴ]
1958年大阪生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら、85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞を受賞。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kircheis
311
★★☆☆☆ うーん…東野圭吾氏の長編作品の中では一番合わなかったかも。 主人公がものすごいダメ人間だった。独善的で、流されやすく、しかも意志が弱い(^_^;) 自分の信念を貫き、常に上を目指す倉持修の方がよっぽど魅力的ではないか? 読者をイライラさせるのを意図して書かかれている感じもあるので、もしそうなら大成功です(>人<;)2019/03/23
ehirano1
240
起こる事象が容易に想像できて且つ、容易に当たってしまう。つまり、著者としてはミステリーやサスペンスは全く求めていない。ということは・・・・・本書は何を求めているのか?そんなことを考えながら絶え間ない胸クソ事象の嵐の中を最後まで突っ切りました。しかしその代償は高く、疲労困憊で何かを得るどころではありませんでした(泣)。2024/11/10
扉のこちら側
233
2018年247冊め。決して馬鹿ではない主人公だと思うのに、どうしてこうも何度も彼に出し抜かれてしまうのだろうか。子どもの頃からの妬みや悪意をここまで持続させる倉持も大概であるが。物語の設定としては面白いので、この半分の分量でまとまっていればよかったと思う。2018/07/01
再び読書
185
最後の最後まで救いの無い話だった。またはこの結末に向かって突き進んでいったというのが真実かも知れない。どこまで酷い目に会えば、気がすむのか?と思うぐらい、不幸が和幸の元にやってくる。また、それは倉持と共にヒタヒタとやってくる。誰もが和幸を不幸にしたいと思ってるのかと疑うくらいの不幸のオンパレードでした。こんな救いの無い後味の悪い意味結末も予想出来るのに頁を捲る手が止まらない。屈指のノアールの書き手である東野氏の真骨頂かも知れない。倉持の和幸を陥れ、それを救う様に見せかけて、さらに深い闇に引きずり込む。2016/10/20
どんちん
182
田島和幸、なんだかちょっと滑稽である。田島和幸は典型的な騙されキャラのようだ。これほど同一人物から騙されるとかわいそうと言うより、間抜けとしか言えない。田島和幸は「毒笑」の「殺意取扱説明書」を購入すべきだ(笑) それよりなにより、救いの手を差し出してくれたのは他ならぬ倉持であることも事実であり、倉持のすばらしきバランス感覚の物語という側面もあるべきであろうか?!2012/11/15