出版社内容情報
宮部 みゆき[ミヤベ ミユキ]
著・文・その他
FISCO[フィスコ]
著・文・その他
内容説明
毎年、九月末になると「白河庭園」で行われる、虫聞きの会。もう二十年近くも続いているという、そんな風流な催しに、僕が行く気になったのは、一にも二にもクドウさんのためだった。毎年家族で訪れているというクドウさんと偶然を装って会うはずだった。それなのに…。―殺されたのはクドウさんの従姉だった。事件は思いがけない方向に進んでいき無責任な噂があとを絶たない。僕は親友の島崎と真相究明にのりだした。大好きな彼女は僕が守る。
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年、東京生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞を受賞。89年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞を受賞。92年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞を受賞。93年『火車』で山本周五郎賞、97年『蒲生邸事件』で日本SF大賞を、99年には『理由』で直木賞を受賞した
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
113
2016年505冊め。シリーズ2作め。非常に大人びで聡明な印象の彼らだけれど、等身大の中学生のイメージもきちんとある。読んでいて気付いたのだけれど、作中にもあったように彼ら世代の「等身大の語彙」で語っている物語なんだろう。知らなければ心穏やかでいられたかもしれない出来事は、見過ごすことのできないものだったが故のビターな結末。2016/07/01
ゆか
108
随分昔の宮部作品。公衆電話がバンバン出てくる。主人公は男子中学生。コナンもビックリな行動力で殺人事件に絡んでいく。前作を読まずに今作を読了したけど、問題はなかった。でも前作読んだ方が楽しめたのかも…。この本は感想を書くと、それ自体がネタバレになってしまう…。いつの時代も自分の事しか考えてない人は存在する。知らず知らずに自分を正当化する。それ自体は悪い事とは思わないが、その行動自体を悪いと認識していないので、反省する機会さえない。そんな人が成長すると末恐ろしい…。2015/12/27
NAO
86
複雑な家庭の犠牲者だった女の子が、いつしか、社会の闇に飲み込まれ、加害者になっていくという社会の闇。中学生の「僕」の平凡な学校生活の中にさえも忍び込んでくる都会の闇。クドウさんは従姉と同じ血が自分にも流れているかもしれないと不安がっていた。彼女の不安は「奔放な血」についてだったが、私には二人の共通点は「自分のためなら人に迷惑をかけてもかまわない」という考え方だと思う。2020/01/08
さっとん
86
シリーズ物とは知らずに読み始めて、前作の「今夜は眠れない」を持っていないのでそのまま読み進めましたが特に問題なく読了。 途中までは中学生の青春が描かれたライトな感じだと思っていたのですが、後半は結構ヘビーでした。 特に解説にもあったように免罪符を与えなかったことで後味の悪さが残るものの深く考えさせられる作品になっていると思います。2018/12/10
どんちん
78
予備知識なくページを開き・・・・・ゲゲwもしかしてこいつぁありえない中学生コンビの物語?! 常識を逸脱した(年齢詐称?)中学1年島崎君、コナンが中学生になった以上の活躍・・・ww相変わらずありえない事象が多発w 今回は、緒方君もよくがんばった。が、事件解決というよりは、親友二人の関係がクドウさんを通じてちょっと微妙になったり、ちょっと緒方君の恋愛チックな話があったりと、青春というには、まだまだコドモすぎるが、まぁ思春期の切ない物語という感じだろうか。2013/07/05