角川文庫
君が壊れてしまう前に

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  • サイズ 文庫判/ページ数 327p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043562015
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ぼくたちは狂ってはいたが、バカではなかった。無知で野蛮だったが、無邪気でもあった。奪われた自由を取り戻そうと焦りながら、無限の可能性の前で途方に暮れていた―。オナニーをして夢精をして、恋をして喧嘩をして、時には自殺も考える。父親は女を作って家出をし、母親はそのストレスで買い物に依存する。ぼくたちはまだ何者でもない青二才として、世界に放りだされ、何とか「このぼく」を作ろうとしていた。一九七五年、元日に始まり大晦日で終わる、14歳の「ぼく」の物語。

著者等紹介

島田雅彦[シマダマサヒコ]
1961年、東京生まれ。東京外国語大学ロシア語学科在学中に書いた『優しいサヨクのための嬉遊曲』が芥川賞候補となり、注目される。『夢遊王国のための音楽』で第6回野間文芸新人賞を、『彼岸先生』で第20回泉鏡花文学賞を、受賞。主な著書に『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『夢使い』『忘れられた帝国』『彗星の住人』など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GaGa

39
所謂中二病を一つ超えた中三日記。一九七五年って、物質的にこれほど豊かだったかなあとの疑問があるも、一人の少年の生活を日記形式でここまで赤裸々に書き綴った作品はそうはない。もとより日記なんて書くことがない日の方が圧倒的に多いのだが、さすが作家の創造力は凄いなあと思う。大ベストセラーとなった、湊かなえ「告白」と併せて読むと面白いかも(全然内容は違うけど)2010/11/19

東京湾

10
「ナンセンスなのは未来だけじゃない。過去もまた、どうしようもなくナンセンスだ。ナンセンスの板挟みになっているのが、現実のぼくというわけ」中学二年。大人への道に足を踏み入れ、それでも幼気で向こう見ずのまま、暴れ始める自我と抑えきれぬ劣情の混沌に翻弄され、とにかく"何か"を求めたあの頃。日記形式で描かれる少年の日々、その猥雑さと切実さに、いつかのあの感情が蘇るような、そんな物語だった。純粋にこれは面白い。笑いあり涙ありの青春小説として楽しめた。自由の刑に処せられて、それでも無邪気でいる術が、ここにはある。2020/04/13

寺は大阪万博を応援しません

3
14歳の一年間。なかなか裕福な少年時代だと思う。読みながら、自分の中学時代を何度も思い出した。主人公がいい奴とかじゃなく、悪い事もしているので、悲喜こもごもの色々な感想を抱かされる。あの年頃の性欲も暴力的衝動も正義感も悪徳も背伸びした知的好奇心も全てが本当で面白い。2011/10/22

erica

3
汗と誇りにまみれた誇大妄想青春小説2008/05/26

2
こんな濃密な中学時代を過ごしてみたかった2011/11/17

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