角川文庫
死なう団事件―軍国主義下のカルト教団

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  • サイズ 文庫判/ページ数 347p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043556014
  • NDC分類 316.2
  • Cコード C0195

出版社内容情報

昭和12年2月17日、帝都の5ヶ所で突如5人青年が「死のう!」と叫びながら腹を切った。!警察の弾圧によりカルト化し、自死の道を選んだ「日蓮会」の軌跡を追った渾身のノンフイクション!

内容説明

「死のう!死のう!死のう!」昭和12年2月17日、国会議事堂、外務次官邸、宮城前、警視庁、内務省で、5人の青年が「死のう!」と叫びながら次々と切腹自決を試みた。さらに翌13年3月、盟主が病死したとき、団員5人が殉死した。当時、日本中を震撼させた“死なう団事件”である。既成宗教の堕落を批判した彼らは、なぜカルト化していったのか。どうして死を選ばなければならなかったのか。そして事件発生から60余年後の今、明らかにされた新事実とは…。気鋭のノンフィクション作家が「昭和史の謎」に挑んだ名作。

目次

序章 決行の日
第1章 登りつめる道
第2章 勝算なき戦いの日々
第3章 “死”への邁進
第4章 証言
補章 六十三年目の「真実」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

8
死なう団は名前しか知らなかったので、この本を読んで狂信者と思っていたイメージや何を考えているのか理解不能な集団に対する違和感はかなり減りました。2020/11/22

かっぱ

7
戦前の不穏な社会の空気の中に、このような団体があったということを知る。確かにカルト教団に違いないのだが、現代のカルトとは違って、「死なう。死なう。」と叫んで切腹のデモンストレーションをするという行為に留まり、他者を傷つけるような凶行には至っていない。社会を変えたいという気持ちがあっても、その刃が常に団員自身に突き付けられているのが特徴。2013/07/28

tecchan

3
今から45年前、著者が若かりし頃に書かれた作品の文庫版。昭和初期のカルト教団の活動を追ったノンフィクション。暴力活動とは一線を画し自らの命で世の中の理不尽と戦った教団も弾圧と教祖の死により10年で消滅。軍国主義下、我が国は、国家自らが国民の命を国家に捧げさせる時代に突入する。時代に対する不安がこうした教団を生んだのだろう。2018/02/09

うたまる

2
「死のう!死のう!死のう!」……昭和12年、国会を始め都内5ヶ所で同時自決を図った”死なう団”の記録。概略からオウム以上のブチ切れ教団かと思ったが、読み進めるとそうでもないことを知る。当初はオウムと同じく純粋で熱心な求道者たちの集まり。それが教団創立に高揚し、指導者の寵愛を競い、外部からの弾圧に内向し、先鋭的な行動に走る。これぞカルトへ至る定型のようだ。さらに言うと、これは宗教団体に限らない。企業でもチーム競技でも、果ては趣味のサークルでも同じ。省みれば私にも聞こえる。「読もう!読もう!読もう!」の声が。2018/06/02

Hisashi Tokunaga

2
保阪氏の若かりし日の著作。死のう団のリーダは蒲田糀谷出身でここに会館を築いた。本書が最初に書かれた昭和47年頃とは、死のう団の事件はたかが40年前の戦前の事だった。天皇制は高度の官僚国家を築き、多くの下級官僚が巻き込まれた。2015/10/26

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