角川文庫
いちばん初めにあった海

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  • サイズ 文庫判/ページ数 277p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784043539017
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

引っ越しの準備を始めた千波が偶然見つけた本「いちばん初めにあった海」。読んだことのない本をめくると、中には未開封の封筒があり、「私も人を殺したことがある」という内容が。千波は過去の記憶を辿るが……

内容説明

堀井千波は周囲の騒音に嫌気がさし、引っ越しの準備を始めた。その最中に見つけた一冊の本、『いちばん初めにあった海』。読んだ覚えのない本のページをめくると、その間から未開封の手紙が…。差出人は“YUKI”。だが、千波にはこの人物に全く心当たりがない。しかも、開封すると、「私も人を殺したことがあるから」という謎めいた内容が書かれていた。“YUKI”とは誰なのか?なぜ、ふと目を惹いたこの本に手紙がはさまれていたのか?千波の過去の記憶を辿る旅が始まった―。心に傷を負った二人の女性の絆と再生を描く感動のミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

251
樹齢数百年の大樹は様々な歴史と些末な我々の悩みや営みに寄り添って生きている。いわば神なる存在。『7人の敵が~』で爆笑し、以降数冊の加納作品を読んできたがここで断言したい!本作で加納朋子さまに心頭崇拝することを❗度々の不幸に自責の念を持つ千波は、自身も身に覚えがない『記憶の空白期』があり、現在と過去と、とある一冊の本との網目をさ迷い、ついに感動と感涙の真実に辿り着く最初の編。続く編の『化石の樹』を読み終わって初めて解る、本作を通した貫通のテーマ!上手い!登場人物の内面を抉り描く行方を是非ご堪能あれ‼️🙇2019/02/16

さてさて

185
『ノックしなきゃ、ドアは開かないよ』というとおり、私たちが隠された真実を突き止めるためには、自らがアクションを起こしていく必要があります。この作品では、『いったいこれは何なのだ?なぜこんな手紙が、本の間にはさんであったのだ?』と思う主人公の行動の先に、それまで隠されていたまさかの真実の扉が開きました。”小説内小説”が、そして”手記”が二つのそれぞれの中編の中に深い意味を持って展開していくこの作品。加納朋子さんのミステリーの構成の上手さと、その背景に描かれる奥深い物語にすっかり魅せられた、そんな作品でした。2022/01/12

ダイ@2019.11.2~一時休止

108
2編の緩いミステリー。ともに切ない感じの話で終わり方がよかった。2014/09/15

papako

86
加納さんらしい作品でした。二編の短編ですが、夢の中でたゆたうような読書。ユウキのホリィに対する友情は記憶の中の母親への想いなんでしょうか。『化石の樹』の語り口、ちょっと苦手。それでも物語は好き。金木犀に隠された記憶からちょっと苦くて優しい真実が明らかに。加納作品、コンプまであと少し。2017/11/15

gonta19

86
購入詳細不明。おそらく15年ものの積読本2015/11/16〜11/19最初に買った加納さんの本だが、なかなか読む機会がなく、永らくの積読状態となってしまった。本作は駒子シリーズを離れた最初の作品で、表題作と「化石の樹」の2作品からなる中編集。どちらも素晴らしい作品で、女性にしか書けないだろうなぁ。しかし、もっと早く読みたかった。後悔先に立たず。2015/11/19

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