出版社内容情報
子供のための授業でなく、大人が子供から教わることは無限にある。そう考えた灰谷氏があるときは生徒となり先生となり、子供の面白さと可能性を伝えます。
内容説明
教師時代の体験、子どもの詩、絵、独自の面白授業などをふんだんに盛り込んだ、灰谷さんと子どもたちがつくりあげる不思議な授業。
目次
「きりん」との出会い
子どもを計るものさしはない―わたしの教師時代1
不思議な糸―わたしの教師時代2
子どもの優しさ
鈍行列車のような人生を選びたい
教室の中の子ども
ことばの向こうにあるもの
子どもは小さな巨人
林竹二先生とわたし
はじめて教室でしゃべった子―考える授業1
優しいということはきびしいということ―考える授業2
今なお、戦争を学びつづける子どもたち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムーミン
15
「子どもは一人一人違うということは、当たり前のことのように見えて、実際に、そう接するのは容易なことじゃない。容易なことではないけれど、それに向かって努力するのが教師の仕事だと思います。」P.32 「仕事というもんは、これまで、いろいろなことを学ばせてもらったお礼でもあるから、いつも人の役に立っているという心棒がなかったら、その仕事は仕事とはいわん。ただの金儲けと仕事は区別せんといかん。」P.45 「学んだことのたった一つの証は変わることである」P.1202018/06/27
tellme0112
11
教職を目指していた学生時代に読んだことがある本だった。心が洗われるようで、チクチク痛むようで。 子どもに考えさせる会話、しているだろうか。道徳の教科化は、本当にしょうもないなと思う。2017/05/13
sui
6
再読。よく「こどもと向き合う」とか「こどもの気持ちに寄り添う」なんて言うけれど、それは相当の覚悟や真剣さが必要な、生ぬるいものではないと教えられる。詩「チューインガム」が生まれるまでの過程なんて、言葉にならない。私は、自分の子どもが同じことをした時、子どもからここまでの気持ちを引き出せるだろうか?子どもたちの詩だけでも、読む価値あり。灰谷さん、もっと長生きして欲しかったよ。今年は、灰谷さんの本を全て読み直そうと思った。2016/01/16
majsan
6
原点に戻り、少しずつ少しずつ凝り固まってきた心を解き放つため、繰り返し何回も読んでいる本です。この本を読み終わった後は、とても優しくて暖かい腕に抱きしめられているような気がします。子ども達を相手に仕事をする私にとっては、大切なバイブルのうちの1冊。2013/04/10
トラジロー
5
教師になってもう2年目。こんな自分が子供達を教えていいのか、また、持ち上がりで2年も同じ子供を教えていいのかと悩む時があります。しかし、それは2年目などに関わらず、教師でいる限り、常々自分に問い、立ち向かっていかなければいけないことなんですね。2013/08/23