角川文庫<br> ひとを愛することができない―マイナスのナルシスの告白

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角川文庫
ひとを愛することができない―マイナスのナルシスの告白

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  • サイズ 文庫判/ページ数 224p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043496051
  • NDC分類 158
  • Cコード C0195

内容説明

ひとを愛するとは、いったいどういうことなのだろう?ひとを愛することは当然であり、それができない者はまるで怪物のように忌み嫌われる現代にあって、ひとを自然に愛せない者はいかにして生きればいいのか?愛する能力が絶望的に欠けていた父と、それでも夫から愛されることを望みつづけた母との確執を間近に見ながら、身を削られるような劣等感と病的な自己愛と格闘しつづけた著者が辿り着いた凄絶なる「愛」の哲学。

目次

序章 ひとを愛することは難しい(愛する者のために死ねるか;ストルゲイ・フィリア・エロス・アガペー ほか)
第1章 「ほんとうの愛」とは(アガペーが「ほんとうの愛」か;アガペーを実現する難しさ ほか)
第2章 愛に不可欠の条件(愛を「究明」する;かけがえのない個人を愛する ほか)
第3章 愛という暴力(愛のマイナス面;愛している者は「正しくない」 ほか)
第4章 愛という支配(世界全体の再構成;主人と奴隷 ほか)
第5章 愛という掟(夫婦なのに!;妻信仰 ほか)
第6章 自己愛という牢獄(他人の自己愛を愛することはできない;他人との共感を恐れる ほか)
終章 私は私でしかない

著者等紹介

中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年、福岡県生まれ。東大教養学部並びに東大法学部を卒業。77年、東大人文科学大学院修士課程修了。83年、ウィーン大学哲学科修了。哲学博士。電気通信大学教授。専攻は時間論、自我論、コミュニケーション論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

眞鍋 かをり

96
変わったタイトルの小説だなと思って手にとったのだが、全く違った。これは著者自身の極めて私的な、愛についての自問自答集。育った家庭環境から愛というものの実感がなく、違和感を感じながら生きているという著者。自身でその違和感を根底までえぐり、もがきながら考え抜き、心に渦巻くものをここまでさらけ出してしまうとは。壮絶のひとことである。とはいえ、愛に不自由を感じずに育った人間からすれば、感性の違いに戸惑うに違いない。読んでいて著者の考えに引き込まれつつも、途中からは理解の範疇をこえた。共感はないが印象に残る一冊。2014/06/12

ナチュラ

32
前半は「愛とは」という感じの哲学的見解や、名作小説の一文の引用など、ちょっととっつきにくい印象でしたが、中盤以降は中島さんの私小説的な話が多く興味が湧いた。家族を愛さなかった父と、夫に愛されたかった母。中島さんの生い立ちに同情すると共に、私も近いものを感じた。他人に無関心と思われていても、実際は愛情表現に不器用なだけの場合もあるのではないかな。また、自己愛についても共感するところがあった。参考にされた三島由紀夫の書籍も読んでみたい。2017/06/28

テトラ

31
愛、という言葉からは温かで優しい印象を受ける。しかし本書で語られる「愛」はそのような生易しいものではない。どうして愛を求めてしまうのだろう、多く愛した方が負けなのに。どうしてあの人は愛を要求してくるのだろう、愛してやることなどできないのに。中島氏は強すぎる自己愛ゆえに他者を愛することが出来ないと自身を分析するが、その独白のような文面が切々と迫ってきて苦しくなる。時折涙を拭うほどに感情が揺さぶられるのに、読後に残るのは果ての無い空虚。本書はとてつもない奇書だ。これは褒め言葉。2016/01/06

磁石

25
今の時代、他人を愛することができない人間は落伍者の烙印を押されてしまう。実際はそんなことできなくても/してなくても、バレないようにフリをし続けなければならない、自己愛だけでは足りない/その分を放棄しなければならない……。初めは染み渡ってくるようでウンウンと頷いたけど、社会通念に縛られているだけではないかとの疑いがでてきた。拒食症や不眠症の病人達と同じ、「隣人愛」という強力無比な固定概念で自縄自縛している/自傷行為でしかない。ゆえに告白/反逆宣言。この時はまだ、克服の途上にあったのかもしれない2017/06/05

ががが

16
愛って難しいよね、の一言ですむならそんな「簡単」なことはない。自己愛が極端に発達している著者による壮絶な愛についての哲学。まず、愛とはなんであるかということをしっかりと定義し、どうして人を愛することができないのかについて永遠と考察を進める。中盤からは著者の家族の中で繰り広げられた愛を巡る闘争に重心が移るが、愛している状態、愛されている状態における人の心理を鋭く分析し、そこにくっついてくる自己愛や自己欺瞞を浮き彫りにするという著者らしい常套手段で、愛の恐ろしさ、醜さ、怖さというものをこちらに突き付けてくる。2016/10/08

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