内容説明
あなたは上手に怒ることができますか?突発的に「キレる」のではなく、効果を冷静に計算して、相手に怒りをぶつけること。「やさしい」言葉に乗じて、個人固有の考え方や感受性、言葉を奪い去ろうとする他者に対して、怒りを感じ、伝え、時に相手の怒りを受け止める術を磨く。かつては怒れなかった青年が、留学先のウィーンで独り生き抜くために培った怒る技術。豊かな人生を取り戻すために、本書を片手に、いまこそ怒ろう。
目次
はじめに―怒らない人々の群れ
1 怒りを感ずる技術
2 怒りを育てる技術
3 怒りを表現する技術
4 相手に怒りを伝える技術
5 相手の怒りを受けとめる技術
6 怒らない技術
著者等紹介
中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年、福岡県生まれ。東大教養学部並びに東大法学部を卒業。77年、東大人文科学大学院修士課程修了。83年、ウィーン大学哲学科修了。哲学博士。電気通信大学教授。専攻は時間論、自我論、コミュニケーション論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
35
初読。感情をコントロールするのと、感情を適切に伝えられるようになるのと、どちらが難しいだろうか。2013/09/28
磁石
21
「和」を尊ぶ日本人だからこそ必要不可欠な技術。怒ることがスタンダードな他とは違う、ただでさえ小さいのにもっと消せなんて言われたら自殺するしかなくなる。あるものはあるのだから仕方がない、見ないフリよりも使い方を学ぶ方が建設的。どうしても「皆」が満足する「正解」を、100対0のような完全勝利を求めてしまう性がある、でもそんなモノ人間には不可能。勝てればいい/僅かでも取れればいい、正解など存在する方が稀/無いのなら何をやってもいい。ちゃんと怒りの存在を認めてやるべきなのだろう2017/06/07
ichiro-k
13
気になること→昨夜の通勤帰りに雨でもないのに「傘をさしている人・雨合羽を着ている人」に遭遇(思わず夜空を見上げる)帰宅したところ、妻から「放射能から身を守っている」と教えられた。苦笑!気になる箇所(メモ)→①私はそういう人の気持ちが痛いほどわかるからこそ、「そのままでいいんだ」とか「きみのほうがまともだ」とは言いたくない。「社会でうまくやっているのは、ずる賢くて不純で鈍感なゴミのような奴だけだ」とささやいて励ましたくはない。文面からしばしばそういうことを期待するような「まなざし」を感じますので、むしろ「甘2011/03/16
lily
10
著者は怒ることを楽しんでいるが、お互い知性があって理論が破綻しないような、やり取りができないと時間と労力の無駄だろう。それから更なる強固な絆を期待したい時。怒って感受性の差異を確認しあう遊びがマイブームになりそうだ。著者の怒りは人間国宝にしたい。2019/04/18
羊の国のひつじ
8
間違えて買った本第3弾。自分の不満を相手に伝える手段として「怒る」ことは必要である。怒る技術というのは怒ったふりをすることで相手に自分の不満点を効果的に伝えること。この著者は少々過激で真似はできないが、姿勢は見習いたい。2017/04/10