角川ホラー文庫<br> D‐ブリッジ・テープ

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角川ホラー文庫
D‐ブリッジ・テープ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 167p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043463015
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続くなか、テープには彼の凄絶な告白が…。弱冠23歳の著者が巨大な嘘を告発する新黙示録。第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ましゃ

31
残酷でグロテスクで希望も救いもないのに、何故か引き込まれる不思議なホラー作品。本書は近未来を舞台に少年の死体と一本のカセットテープが発見され、そのカセットテープを聞いていく形で物語は進行する。それは、ごみ山に捨てられた少年の凄絶な告白と遺言ともとれる言葉の記録だった。子を捨てる親は最低だ。そんな事は子供ながらに分かっていても、捨てられた事実を受け入れ納得し、生きていかなければならない。少年の俺はここで生きていたんだ、と伝えようとする最後のメッセージはただただ心に染みた。後味が悪いため、おすすめはしません。2020/06/02

ちょん

24
中学の時に友達からこの本を借りて、あまりの衝撃にこんな本が世の中にあるのか!いいのか!?と変な感想を持ったことを思い出します。あれから何年もたってタイトルが分からなくなっていたのですが読メの方々に教えてもらいもう一度読むことができました(*´ω`*)懐かしい気持ちでいっぱいですが、あの頃なんて可哀想な話なんだと思っていたけど、この本と同じくらい、もしくはそれ以上に哀しいことが世の中に溢れかえってるんだなぁと思うと…切ないなぁ。2017/10/22

ヒロくま

23
薄い本だけど内容は忘れられなく成るくらい衝撃的だった。グロい描写や後味の悪さよりテープを聞いている大人達の方が、ある意味ホラーだと思える。少年が最後に放った言葉が深く印象に残った。2015/05/19

アメマ

20
デビュー作という事で少々どころか結構荒削りで非現実的な箇所も多く、ツッコミ所満載のホラー小説大賞短編賞作品である。しかしながらそれらを凌駕する著者の『生と死と愛』の想いがストレートに伝わる非常に重く哀しく切ない話である。あれ程までのグロテスクな描写や残虐行為も生きる為の手段としては仕方なしと感じました。いや、感じざるをえなかったのかも知れません。そう、言わざるをえません。(←あばれる君?)☆2.52017/08/26

那由多

18
ゴミの山から発見された少年の死体が抱えていたテープレコーダー。60分のカセットテープに吹き込まれていたのは、少年の過酷な人生の独白だった。快適な室内でそれを聞く人達の無関心さと上っ面感が残酷。2023/02/12

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