感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巣々木
2
世界史の教科書風と言ってしまえばそれまでだが、人類の誕生から第一次世界大戦までの人類史を、なんだか早送りの映画の様に猛スピードで俯瞰する。それはA.C.クラーク「2001年」の映画のとても有名なシーン。武器(骨)を持った類人猿がその骨を空に投げると、一瞬にして時代が飛躍し宇宙に浮かぶ人工衛星になるシーンの、省略された時間にピタリとあてはまる。そのように時代を越た二人の大SF作家の共作として読むのもファンタジーかな、などと思ってみたり。 2016/11/17
take
1
地球誕生から第一次世界大戦までを一気通貫に解説する。SF小節の大家であるからか、一般的な事実羅列の歴史書とは異なり、人間的表現が見られまた筆者の個人的見解が含まれていて引き込まれた。注釈として、訳者による歴史解説もついているため史実としてある程度の正確さは担保されていると思う。教会の腐敗や、技術が国家に及ぼした影響など、随所に構造的解説が含まれており、歴史理解が促進された。冒頭の方の古代の歴史は冗長だが、そこを乗り越えれば後半ほど筆者の切れ味を感じ読むことが楽しくなる。歴史の学び直しにうってつけ。2023/10/29