内容説明
三百六十人の乗客を満載したジャンボ・ジェット機が忽然とかき消えた!その直後、二千五百万ドル相当のダイヤモンドを要求する手紙が舞い込んだ。航空会社とFBI、それに州警察が調査に乗り出すが、手掛かりはナシ。そこにさっそうと登場するのが、若き弁護士ベレッカー。ただし開店休業中。そして元妻兼秘書のアニー。二人が航空会社の友人から、この事件を耳にしたのが運のつき。十万ドルの報奨金めあてに、素人探偵よろしくうろちょろするうち、事件の深みにまきこまれ―そして最後には、あっと驚く結末が…軽妙洒脱なユーモア・ハードボイルド。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
60
〔再読〕史上最大級トリック、360人の乗客をのせたジャンボ機が、そっくりそのまま誘拐される。本作は最高のドタバタ喜劇、ラブコメ、ミステリーだ。探偵役は、仕事の無い弁護士と元妻。二人はベタ過ぎる偶然から、褒賞金目当てで事件に乗り込んでいく。二人の漫才の様な会話と行動は、懐かしくもあるが抱腹絶倒である。又二人の間で、トリックについて推理がなされるが、その文章の間にはめ込まれた犯人らしき人物の短い描写の仕掛け等、かなりセンスが良い。謎解きは、それ迄と180度代わって真剣に説かれる、このバランスも実に巧いと唸る。2016/09/25
みっぴー
58
乗客360人を乗せた飛行機が、突如レーダーから消失!!飛行機がまるごと誘拐されたというミステリーです。謎に挑むのは元夫婦の弁護士と秘書。緊張感が欠けるため、ミステリーにユーモアは不要だと常々思っているので、二人の軽快なやりとりが、作品の足をひっぱっているように感じました。飛行機消失のトリックも、ちょっと残念というか、ズルイ。航空会社もここまでセキュリティがゆるいとは思えません。『シャドー81』に勝る名作はないものか…。2017/11/13
Panzer Leader
29
[第77回海外作品読書会]故内藤陳のエキセントリックな解説が楽しい初トニー・ケンリック作品。ユーモア・ミステリーは好きなジャンルだけど元夫婦の捜査のコミカル描写と犯罪者グループのシリアスな描写の温度差にちょっとついていけなかった。でもこの作家の作品もう2、3冊は読んでみようかなと思えるくらいには面白かった。2016/12/29
タツ フカガワ
23
再読。ジャンボ・ジェットが360人の乗客とともにレーダーから消え、その後、乗客の命と引き換えに2千5百万ドル相当のダイヤモンドの原石を要求する手紙が航空会社に届く。この話を知った売れない弁護士べレッカーは、秘書で元妻のアニーとともに10万ドルの報奨金を目当てに調査に乗り出す。あっと驚く事件の真相も驚きですが、なによりべレッカーとアニ―の会話が楽しい(上田公子さんの翻訳が素晴らしい!)。ユーモア/サスペンス小説の名作ですね。2020/03/06
ぬぬよよ
13
ユーモアあり面白かったです。2019/08/20