角川文庫<br> 暁の女王と精霊の王の物語 (再版)

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角川文庫
暁の女王と精霊の王の物語 (再版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 165p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784042456018
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

夢の中の感情を描く「狂気の浪漫主義詩人」ネルヴァルが、東方旅行の途上、コンスタンチノープルで耳にしたシバの女王バルキスと伝道者ソロモンの幻想的な恋物語。中村真一郎の名訳で贈る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

62
ソロモンの宮殿をシヴァの女王が訪れる。遠き異邦より暁の女王の到来…これはネルヴァルが直感した芸術の曙光だろうか。栄華を極めたソロモンはその知性と権力で女王の心を征服しようとするが、棟梁アドニラムに任せた大事業が溶けた銅の噴出という悲劇を招く。深く傷つき地下に降ったアドニラムは、鍛冶の神トバルカインの導きで弟を殺したカインの呪われた運命を知る。芸術の祖カインの激しい苦悩、シヴァの女王とアドニラムのロマンチックな愛…この作品からはネルヴァルの血を流すような内的葛藤が伝わってくる。権力者ソロモンの末路も痛烈だ。2016/06/12

おか

45
いつもこの手の本を読む時欲しくなるのは 系図と別名?の詳細な図(笑) やっと普通に読めるようになるのは 最後の60ページ、そして それもいつもの事。暁の女王でバルキスとはシバの女王、精霊の王はソロモン?アドニラム?うふふふ さあどっちでしょう。昔は こういった神話物をよく読んだ、その神秘さに惹かれて。しかし 今 この歳になると 自分の神秘さに辟易としているので(大笑)この本は 古書店に持って行く2021/12/06

しあん

28
難解だったが美しかった。訳者の前書きがこれまた素晴らしい導入部となっていた。19世紀末の文学の素晴らしさ、豊饒さを改めて感じる一冊だった。これほどまでに幻想的で、異国への憧憬を掻き立てる作品はそうそう無いと思う。2020/11/19

兎乃

19
薄い文庫本なので、鞄の中にしばらく入れていた。昨日、就活を無事に終えて、卒論真っ最中(でもバイトもするよん)のK君に偶然会い、貸し出す。ちらりと頁をめくって「薄くないですよ、怖いくらい手ごわい。」とポツリ。ソロモンとシバの女王、一行一行に込められる言葉の洗練が見事。読み込むほどに味がでる。ネルヴァル、廃刊ばかりで寂しい。復刊、もしくは新しい翻訳でどこかの出版社、出してくれないかなぁ。2012/11/19

いやしの本棚

12
シバの女王とソロモン王の話か…と、ピエロ・デッラ・フランチェスカの『聖十字架物語』など思い浮かべつつ読み始めたら、何ともドラマチックな幻想譚でした。シバの女王バルキスの造型が鮮やか。伝説の人物が血肉をもって愛し、憎む姿の美しさ。しかしバルキス、どんだけソロモンをディスるのか…2016/11/27

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