内容説明
伯爵家の女主人オリヴィアに思いをよせるオーシーノ公爵。だが、兄を亡くした悲しみに暮れるオリヴィアを振り向かせることはできない。そのころ近くの海岸で難破船から救われたヴァイオラは、女性であることを隠し男装して公爵に仕えはじめる。やさしい公爵に恋心を抱くヴァイオラ。そんなことはつゆ知らず、公爵は恋の使者としてヴァイオラを遣わすが、オリヴィアはなんとそのヴァイオラに一目惚れてしまう…。ロマンスと笑いと風刺が絡み合う、シェイクスピア喜劇の代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tsubomi
8
2016.12.21-12.31:単純にロマンティック・コメディとして面白かったです。道化や使用人などの繰り広げるドタバタ喜劇的部分と、主要キャストによる恋の多角関係の部分と、それらがうまくつながって大団円を迎えるエンディングに拍手。地味な作品かと思っていたけど、かなり私の好みの作品でした。日本語訳も読みやすく、語彙解説が詳しすぎないのもよかったです。巻末の解説は平田オリザさん。『十二夜』を現代演劇で制作するのがいかに難しいかについて語っています。シェイクスピアの生涯についての概説と年表もついていて◎。2016/12/31
黎
1
単純に面白くて一気読み。男装をするという発想がどの時代から出てきたのか、気になるところ。オリヴィアがヴァイオラに恋心を打ち明けた後から、もうページを捲るスピードが加速していく。疾走感のある展開で面白い。このまま百合展開になってももはや良かった。すべてめでたしめでたしで終わる感じがいいし、不快感(双子二人が間違われてぎくしゃくするところ)もすぐに解決する展開で素晴らしい。楽しかった。2021/10/31
Нелли(ネリ)
0
没後400年に乗じて。4世紀以上前の話に笑わされるとは、シェイクスピアの名は伊達じゃない。有名どころの悲劇だけ読んでそれ以降あまり接してこなかったけれど、喜劇中心にいろいろ読みたい2016/08/20
MAPLEON
0
Make me a willow cabin at your gate. And call upon my soul within the house; Write loyal cantons of contemned love And sing them loud even in the dead of night; この下りがとても好き。三神さんの訳も好みです。2011/12/14
AsK
0
シェイクスピアで有名どころはテレビや映画で見たものが多いが、実はこの作品も映画で見たのが最初でした。生き写しの双子の男女入れ替わりネタでは私が読んだ中では一番古いものかなと。侯爵様への想いを募らせながらも男として振る舞う、主人公の女性。当の侯爵様は傷心のお姫様に夢中です。侯爵様の想いを伝える為、小姓としてやってきた主人公は女性であるにも関わらず、お姫様に見初められてしまうという、不毛な三角関係に。いや、これはなかなか面白かったです。脚本形式の本ですが、これは盛り上がる。2011/11/13